いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

事故責任と値上げ。 duty of accident and price raising

2012-07-20 19:49:25 | 日記
 (1)電力事業というのは政府の政策の後押しもあって独占事業(monopolistic enterprise)だから、その立場を強固なものにするために独自の技術力、開発力、組織力、企業統治力を事業者固有のものとしてオープンにせずに、事業益独占体制を敷いてきた。

 前代未聞の原発事故を引き起こしても事故分析、検証、収束に必要な重要なデータ公開にあたっても、テロに情報を共有されるとか理由をつけて、当初そのほとんどを黒く塗りつぶして(paint in black)提出する(批判にその後、元データ全開示)という自分自社本位の念の入れ様だった。

 (2)その独自の技術力、開発力、組織力を独占する事業体の自覚から、福島原発事故収束にあたっては政府とも何かにつけて相互協力体制にポーズをとって自社主導の復旧環境に流れを操作していった。
 東電の保有財産ほかの整理、売却が十分でない中で、早々に企業向け電気料金の値上げを権利とばかりに決定し、さらに家庭向け電気料金の値上げも政府(経産省)に申請を進めていた。
 政府は1兆円の予算注入で東電を実質国有化し、発言権も確保したがそこまでで、東電を解体して電力事業の改革(発送電分離)再編を強力に推し進めるまでにはいっていない。

 (3)政府が後押しして進めてきた技術力、開発力、組織力の独占事業化がパラドックス(paradox)としてネックとなっており、本来なら政府主導の解体しての再編政策にも容易に手を出せない自業自得を見透かされての実質国有化だ。
 発言権は確保しても、現場の技術力、開発力は東電固有のものに頼らざるを得ない電力事情の現実だ。

 ちょうどエレベータ事故が頻繁に発生した時に、同製造会社が技術力、開発力を独占して技術情報を公開しないことによる同分野への他企業、他種メンテナンスの参入を困難にした構図と同じだ。独占化による安全管理不十分(または他種不慣れ)のへい害だった。

 (4)その東電が企業向け電気料金に続いて家庭用電気料金の10%強の値上げ(期間限定)を申請した。利用者にとっては1兆円の予算注入(税)と利用料金の値上げというダブルパンチの影響だ。
 しかも東電自らの保有資産ほかの整理、売却は進展しない中での独占力で足元を見られた値上げ申請だ。

 当初は保有財産ほかの整理、売却が優先と、値上げに強硬態度の経産相もいつしか足元を見られての保有財産ほかの整理も進まない中での値上げ容認となってしまった。
 政府の電力事業のもたれ合い体質、構図の自業自得、行き着く結果だ。

 (5)10%強の値上げ(期間限定)と言えば、平成15年10月の消費税引き上げ相当分であり、利用者にとってはトリプルパンチの影響となる。
 さすがに政府内では消費者庁が値上げ幅を5~6%へ圧縮する考えを示したが、結果は東電の賠償業務、経営に影響が出ることを配慮して経産省の言う8%強で決着がつきそうだ。
 政府が電力事業の独占化政策を推進して、電力事業者がその既得権益(技術、料金)を盾に思い通りの自社益、組織維持のシナリオだ。

 (6)電力事業者の事故責任(duty of accident)を利用者(消費者)の負担増(price raising)でまかなう構図、構造などは主客転倒した経済論で、本来はおかしな話だ。
 発言権確保で東電会長は政府再生機構からの登用となったが、社長は技術経験力頼りで東電内部からの起用となった。
 東電改革には指導組織は解体し出直す気概(第3者組織編成)が必要だ。

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