(1)羽生善治(41)さんが昨日棋聖戦を防衛して通算タイトル獲得数(title holds)を81期にして、不世出の名人といわれた大山康晴15世名人の通算タイトル獲得数80期を抜いて単独トップに立った。
大山永世名人の時代と将棋対戦環境の違いはあって単純には比較も出来ないが、各段に将棋対戦数が多くなればなったでの今日的な大変さもあって、やはりひとつでも大山永世名人の記録を41才の早さで抜いたのは特筆すべき大記録だ。
現役トップレベルでは谷川9段の27期がそれに次いで、羽生さんの破格のタイトル獲得数だ。
(2)19才で初タイトル(竜王)を獲得した気鋭の棋士も、白髪まじりの髪に和服(対戦衣裳)姿も板についた堂々たる佇(たたず)まいの41才の記録的な棋士だ。
羽生さんの勝負にかける意志、執念は、盤上に覆いかぶさるほどの前のめりの思考スタイル(報道)で対戦相手に睨(にら)みを効かせる「ハブ睨み」と、勝利を確信した時の最期の一手を打つ時の「手の震え」に象徴される。
「手の震え」の一手は盤上の駒をもはじく勢いで、震えはそれを元に戻すのも容易ではない(報道)ほど究極(ultimate)、極限の精神力の仕草と言われる。
(3)どの棋士にも共通するものだが、究極、極限の精神性の体験が若くして普段の物怖(お)じしない、落ち着いた整然とした謙虚で優雅な佇(たたず)まいに表れている。
人間の精神性の極意の姿ともいえる。
(4)その羽生さんでも、前回の森内名人への挑戦では挑戦者決定リーグ戦では全勝で臨みながら、1局2日制の長丁場の名人戦では敗退した。
現在の通算勝利数は1191勝(大山永世名人は生涯1433勝)と現役では群を抜いているが、敗戦数も「457敗」という経験を積み重ねてきた。
勝利数に合わせて敗戦数も数千対戦数レベルでは少ないのは確実だが、それでも20年余りで「457敗」という一見途方もない数字にも驚かされる。いつも勝っているように見えての「457敗」(勝利数はその3倍弱)だ。
(5)このレベルの将棋戦の場合、局後の感想戦でよく聞かれるように勝負は「紙一重」、勝っても負けてもどちらでもおかしくはなかった中での「紙一重」の戦いの連続だ。
最高レベルの将棋は一手を受けて100手、数百手先を読むといわれる頭脳戦だが、深く考えれば考える程この棋士レベルでも見落とし、錯誤、誤手を生むことも聞く話だ。
ある意味、人間の限界とパラドックス(paradox)として無限の可能性、成長をも秘めているということだ。
羽生善治さんのタイトル獲得数81期の前人未到の記録の中での「457敗」に人間・羽生善治さんの啓示(revelation)を見た思いだ。
(6)勝利には相応の敗北も必要なことだった。
大山永世名人の時代と将棋対戦環境の違いはあって単純には比較も出来ないが、各段に将棋対戦数が多くなればなったでの今日的な大変さもあって、やはりひとつでも大山永世名人の記録を41才の早さで抜いたのは特筆すべき大記録だ。
現役トップレベルでは谷川9段の27期がそれに次いで、羽生さんの破格のタイトル獲得数だ。
(2)19才で初タイトル(竜王)を獲得した気鋭の棋士も、白髪まじりの髪に和服(対戦衣裳)姿も板についた堂々たる佇(たたず)まいの41才の記録的な棋士だ。
羽生さんの勝負にかける意志、執念は、盤上に覆いかぶさるほどの前のめりの思考スタイル(報道)で対戦相手に睨(にら)みを効かせる「ハブ睨み」と、勝利を確信した時の最期の一手を打つ時の「手の震え」に象徴される。
「手の震え」の一手は盤上の駒をもはじく勢いで、震えはそれを元に戻すのも容易ではない(報道)ほど究極(ultimate)、極限の精神力の仕草と言われる。
(3)どの棋士にも共通するものだが、究極、極限の精神性の体験が若くして普段の物怖(お)じしない、落ち着いた整然とした謙虚で優雅な佇(たたず)まいに表れている。
人間の精神性の極意の姿ともいえる。
(4)その羽生さんでも、前回の森内名人への挑戦では挑戦者決定リーグ戦では全勝で臨みながら、1局2日制の長丁場の名人戦では敗退した。
現在の通算勝利数は1191勝(大山永世名人は生涯1433勝)と現役では群を抜いているが、敗戦数も「457敗」という経験を積み重ねてきた。
勝利数に合わせて敗戦数も数千対戦数レベルでは少ないのは確実だが、それでも20年余りで「457敗」という一見途方もない数字にも驚かされる。いつも勝っているように見えての「457敗」(勝利数はその3倍弱)だ。
(5)このレベルの将棋戦の場合、局後の感想戦でよく聞かれるように勝負は「紙一重」、勝っても負けてもどちらでもおかしくはなかった中での「紙一重」の戦いの連続だ。
最高レベルの将棋は一手を受けて100手、数百手先を読むといわれる頭脳戦だが、深く考えれば考える程この棋士レベルでも見落とし、錯誤、誤手を生むことも聞く話だ。
ある意味、人間の限界とパラドックス(paradox)として無限の可能性、成長をも秘めているということだ。
羽生善治さんのタイトル獲得数81期の前人未到の記録の中での「457敗」に人間・羽生善治さんの啓示(revelation)を見た思いだ。
(6)勝利には相応の敗北も必要なことだった。