いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

全体主義復活。 revival of totalitarianism

2016-10-03 20:05:14 | 日記
 (1)世界的な全体主義復活(revival of totalitarianism)傾向だ。欧州、EUではすでに極右政治勢力の台頭がみられ、決戦を迎えた米国大統領選でも共和党トランプ候補のわかりやすいこれまでの政治的、社会的常識、良識を否定する極論が既成政治へのアンチテーゼ(anti thesis)として支持を集めている。

 フィリピンではドゥテルテ大統領が一国の大統領としての資質(オバマ大統領侮辱発言など多数)にもとる暴言(報道)が注目されて、ついにはヒットラー礼賛発言まで飛び出してはさすがに物議をかもしだしているが、フィリピン国民が選んだ大統領だ。

 (2)こうした政治的傾向は、かっての米ソ冷戦終結による現在の米露の世界政治への強い影響力低下によるカオス(khaos)状態によるものが大きい。
 世界統制政治(governance)の重しがとれて、これまでの既成政治への不満が浮上してのその不満層を中心とした対極としてのわかりやすい政治理念、手法への期待の大きさが、全体主義体制の台頭につながっていると考える。

 (3)日本としても例外ではない。安倍首相、政権の目指す重要政治課題にはことごとく国民の過半数が反対(世論調査)しながらも、経済政策優先で国民への目先を変える安倍内閣の支持率が比較高い安定を示しているというパラドックス政治(paradoxical politics)がまかり通っている。

 すでに充分に安倍一強、独裁政治がまかり通っているというのに、先日の臨時国会での安倍首相の所信表明演説で安倍首相がこれから安保法制を身を持って推進してくれる自衛隊員に、災害復旧活動の労苦をかけて礼賛する拍手を自ら壇上から拍手をして国会に呼びかけて、これに自民党議員の多くが立ち上がって拍手で応えたことについて野党が異議を唱えて話題になっている。

 (4)すでにそういう安倍一強政治(これを独裁主義という)の状況の中で、いまさら野党のこれへの国会の場で全体主義を思わせる不適切な拍手礼賛行為だとの批判は何をかをいわんやのピント外れの指摘である。

 すでにそういう政治状態を国民がつくり出して、その国民的支持を自ら失権で4年前に失った民進党(当時民主党)が手の打ちようもなく見過ごすだけの政治状況の中での必然的な安倍政権のやりたい放題の安倍一強独裁政治の姿を見せられただけのことだ。

 (5)いまさらその戦前回帰のような日本政治の実態を見せられたといって、その国会自民党議員立ち上がり拍手をことさらに取り上げてみても、安倍内閣支持率の比較高い安定の国民に対してはどうという問題、インパクトでもないだろう。

 本質論としては、こういう政治的、社会的流れがそうとらえられることが深く、危険な今の国際政治社会の流れと共通している本当の危うさである。

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