いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

政治、選挙が変わった。 it shifted the politics and election

2016-10-25 19:37:33 | 日記
 (1)衆院東京10区と福岡6区の補選はともに自民党議員の勝利となった。ともに政党の選挙体制、事情が複雑に交錯して、これまでの与党対野党の選挙図式とは違った対応、選挙構図となった。

 衆院10区は小池百合子自民党前議員が都知事選で自民党系候補を破って東京都知事に転出したための補選で(これそのものも複雑怪奇であるが)、自民党執行部の反対に従わずに自民党の推薦依頼を取り下げて都知事選に立候補した小池前議員を応援した若狭勝自民党元議員を処分保留のまま結局は自民党が公認して当選を果たした、という複雑さだ。

 (2)都知事選応援のお返しとばかりに今回補選は小池都知事が若狭候補を全面支援して、豊洲市場移転、東京五輪会場見直しで話題を集めて人気の高い小池支援に自民党も乗った格好の東京10区での勝利だった。

 安倍首相、山口公明党代表が揃っていわくつきの小池都知事とともに若狭候補の選挙応援演説をするという徹底ぶりだった。勝つのになりふり構わずは選挙の常道ではあるが、一時は都知事選の造反応援で自民党が処分検討を示唆していた候補者に対する安倍自民党総裁(首相)のテコ入れとあっては、有権者にとっても訳のわからない選挙構図となった。

 (3)国政選挙に小池都知事が前面に出て自民党が処分検討のしかし自民党公認となった候補者を全面支援することで、今度の衆院東京10区補選で何が問われているのかわからない、当選した若狭議員も唐突に国と都政の間を取り持つ役割の重要性を述べるなどこれまでと違って都政に軸足を移した国政選挙の意味合いという複雑さだ。

 実は今回の東京10区の補選はもともと小池都知事の選挙区、地盤であり、対立候補の民進党の蓮舫代表も参院東京選挙区で圧倒的な支持、人気を持ち、小池都知事対蓮舫代表の女性政治リーダーの争いともいわれた。

 (4)実際に報道などによると街頭応援でも女性リーダー2人がむしろ前面に出て、候補者が後から付いて歩くというどちらが今回の候補者なのかわからないともいわれていた。今日的話題性の強さから小池都知事の支援、応援に軍配が上がった形になった。

 蓮舫代表には民進党代表に就任したばかりで党政策の発信力も十分ではなく政治力を発揮できなかった不利な面があったが、民進党期待の「選挙の顔」だけでは勝てないこれまでと違う現実を早々に突きつけられた。

 (5)蓮舫代表は対案型の政治を目指すと言っているので、これから戦略立案(design of strategy)、勉強が必要なように思う。
 
 同時に行われた衆院福岡6区補選は自民党県連内の内部分裂(勢力争い)による保守分裂選挙となった。結局は自民党は公認候補を絞れずに死去した鳩山邦夫前議員の次男の鳩山二郎候補が地元麻生副総理兼財務相が支援した候補者などを破って当選を果たした。こちらも民進党が保守分裂騒動に割り込めずに大差で敗れた。

 (6)本来なら自民党内にも「しこり」を残す結果となったが、県連の問題として自民党本部は勝利した鳩山二郎議員をあっさりと追加公認して何事もなかったかのような平穏さだ。

 政治が(ついでに国民も)変わってきているのと同時に、選挙構図も変わってきた(it shifted the politics and election)。政策、理念、信条よりは、数(票)の寄せ集めによる勝ち馬に乗る傾向がはっきりして、選択、判断をする国民、有権者にとっては非常にわかりづらい政治選択、選挙となっている。

 (7)今回の補選はともに政治、選挙体制がこれまでの党主導というより、個別勢力の連携が影響力を持って個別利益のために複雑に交錯するという新しい政治力学、体制が台頭してきたといえる。

 小池都知事は自らの全国規模の政治塾の立ち上げも準備しており、一種の保護主義の台頭だ。

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