いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

北朝鮮の思惑。 intention of north korea

2018-03-07 19:48:32 | 日記
 (1)韓国が北朝鮮に特使を派遣し金正恩委員長と会談して、北朝鮮は現体制の安全が保障されれば非核化を考える意向を示し、来月末に南北首脳会談を行うと発表された。
 北朝鮮が現体制維持を条件に非核化に言及するのはこれまでもあって目新しいものではない。

 これまでも核開発を中止するとして国際監視団を受け入れ、廃炉してみせたりしたことがあるが長続きしなかった、というよりは潜行して核開発は継続されていたというべきだ。北朝鮮が「表」と「裏」を使い分けて国際的孤立から逃れて存在感を示したいという狙い、思惑が今回の金委員長と韓国特使との会談でも変わらないとみるべきだ。

 (2)南北対話中の核、ミサイル実験はしないとか、4月の米韓軍事演習に理解を示したとも言われているが、これまでも一夜で方針が変わる、くつがえることもあったのであまりの変わりようにも何とも言いようがない約束でしかない。

 経済制裁については何も伝えられていないので、さすがの韓国も米国、日本が主導する中国、ロシアも協力する国連安保理の経済制裁強化については譲歩できるはずもないことで、当面は北朝鮮もガマンするしかない。

 (3)南北対話、首脳会談実現で米国としても当面これ以上北朝鮮を刺激する強硬策には出ないとみられるので、このまま今後の推移を見守ることが考えられる。
 日本の河野外相は今回の北朝鮮の変化は国連安保理の経済制裁強化が効いているとの見方を示しているが、北朝鮮の狙い、思惑も経済制裁の解除が念頭にあるのは間違いないので、4月末の南北首脳会談でどういう話し合いが行われるか、韓国としても今回の北朝鮮への特使派遣の会談内容を米国に説明して協議するものとみられる。

 (4)平昌五輪を契機にしての南北対話路線は、その後の米韓軍事演習が再開されるかどうかで再び緊張に向かうと思われたが、今回北朝鮮が4月の米韓軍事演習に「理解」を示したのは想定外のことだ。

 やはり相当に北朝鮮に経済制裁が効いているとみることができて、一応のところなりふり構わない北朝鮮の融和路線の継続というところだ。

 (5)朝鮮半島を二分して北朝鮮と軍事境界線で交わる韓国としては北朝鮮との対話による安定化は必要不可欠なものであり、同盟国米国、日本とは違った事情、背景もある。
 国連安保理、日米同盟関係と北朝鮮対話の板挟みの韓国としてはこれからもむずかしい対応に迫られることになるが、そこを見据えた北朝鮮の対話、融和路線での日米韓同盟関係にくさびを打ち込む作戦とみるのは一般的な見方だ。

 (6)米国としても北朝鮮としても見栄見えの思惑の中でこのまま韓国が朝鮮半島特殊事情の中で北朝鮮に取り込まれるのを見ているだけなのか、4月末の南北首脳会談での話し合いが注目される。

 対話の実績を積み上げて北朝鮮への経済制裁に対して韓国が米国に見直しを要請するのかは、北朝鮮の思惑(intention of north korea)でもあり、朝鮮半島の「完全非核化」が北朝鮮によってどう保障されるのかが焦点だ。

 (7)北朝鮮でも金正恩委員長のもとで経済促進社会政策が検討された時期もあることが伝えられており、金独裁体制の安定により本当に変化しようとしているのか見極めることが必要だ。

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