いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

時空を超えて。 cross over the time and space

2018-03-11 14:48:44 | 日記
 (1)京都市三十三間堂の千手観音立像が国宝になる。平安(124体)、鎌倉(876体)時代に作られ、1体が室町時代に作られた(報道)といわれる。
 三十三間堂そのものが御堂の長さをあらわすもので、その中に観音像の肩越しにいくつもの「手」が放射状に伸びる1001体の尊大な立像が整然と並ぶ様は壮観だ。

 (2)3時代に引き継がれて製作されてそれぞれの時代背景と仏教統治、おしえとの関係も興味深く、1000体を超えて1体だけが室町時代に作られたというのもその経緯、背景に興味はある。

 金箔の張り直しなど約45年がかりの修復作業が終了して国宝に指定される。こちらの修復年数も時間の流れ規格外のものだ。修復年数をみれば丁度その直前に修復前の千手観音立像を見たことになり感慨深いものがある。

 (3)仏教にはおしえを表現するとともに、そこかしこに芸術性が漂うものが多くある。奈良東大寺の大仏像は巨大で豪華絢爛風びで他を圧する畏怖があり、普遍的おしえとしての仏教哲学からくるものと同時にその巨大さから芸術性作品としての趣きもある。

 三十三間堂の千手観音立像も仏師運慶作とされる像(報道)も含まれている。仏師が全国に多くの芸術性作品を残して芸術家としての仏教芸術が冒頭のように今日にも引き継がれてきた。

 (4)仏教哲学はわからないが、金箔をほどこした豪華絢爛風びな仏像、観音像などは寺院の豊富な財力を含めた権威、権力集中の象徴として仏教統治を広く知らしめるためのものでもあったといえる。

 ここで考えるのは、千手観音像といい奈良大仏像といい、時空を超えた(cross over the time and space)思想性、芸術性の高さ、規模、規格の大きさ、発想、創造性、独創性の深さがいかんなく見られることだ。

 (5)現代芸術でもピカソやガウディの象徴的、印象的芸術性の高さ、深さに通じるものであり、日本としても現代芸術に引き継がれなければならない時空を超えた豪華絢爛風びな芸術性のある仏教芸術時代のものだ。

 近年の音楽界の沈滞状況について「五線譜の悲劇」と書いたが、時空を超えた仏教芸術時代の高い思想性、芸術性、独創性が発揮されることが求められている。

 (6)時代、経済、社会は第4次産業革命でスマートフォン、仮想通貨、自動運転車、空飛ぶ自動車も出現させる先端的、独創的未来社会を実現しようとしている。
 音楽でも現代の沈滞状況を打破する日本伝統、時代の時空を超えた破天荒な高い芸術性の思想、理念、哲学を引き継ぐ作品群、作品像がつくられることに挑むことが望まれる。

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