いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

シリアの化学兵器。 a chemical weapon in syria

2018-04-15 20:14:26 | 日記
 (1)シリア・アサド政権が内戦で化学兵器(chemical weapon)を使ったとして米英仏がシリアの化学兵器関連施設3か所(報道)へのミサイル軍事攻撃を実施した。
 13年オバマ政権時も同様のシリア政府による化学兵器使用に対して、地中海に米軍艦船を集結させてシリアを軍事攻撃直前まで行きながら、シリアの後ろ盾ロシアの仲裁によりシリア政府の国内化学兵器を国際機関のもとで撤去全廃することで合意して米軍によるシリア攻撃は中止された。

 (2)ロシア・プーチン大統領はそれを契機にシリア情勢を掌握して中東情勢を優位に展開して、当時のオバマ政権が計画どおり中東から米軍を撤退させてプーチン大統領の国際的な指導力が強化されていった。しかし、今回はそうはいかなかった。

 今回再びシリア国内で化学兵器が使用されるとなると、当時シリア政府のすべての化学兵器を撤去廃棄したとするシリア政府の声明はどういうことだったのか、同じく化学兵器全廃を完了したとするロシア・プーチン大統領の責任も大きいものがあるが、ロシアは今回の米英仏によるシリア軍事攻撃に対して安保理緊急会合を要請して「国際法と国連憲章に違反する」(報道)と非難決議案を提出して、プーチン大統領は「(シリア国内で)化学兵器による攻撃が実際に起きたとは、現地住民の誰一人確認できていない」(同・( )内は本ブログ注)として化学兵器使用を否定している。

 (3)シリア政府の国内化学兵器全廃完了を実施したとするプーチン大統領としては、米英仏によるシリア軍事攻撃に対して当然の非難であるが、トランプ大統領はツイッターで「昨夜の攻撃は完璧に遂行された」、「任務は完了した」として作戦は終了したことを宣言している。

 シリア内戦はロシアの協力、支援を受けるアサド政権と反政府勢力との泥沼の長い戦闘が続いて解決の糸口も見えない情勢の中にある。化学兵器の使用があったとすれば人道上許されない行為で、内戦が極めて国内問題であっても強く非難されなければならない事態だ。

 (4)米英仏がシリアの化学兵器関連施設(3か所)を1日攻撃して「任務は完了した」ということがどういう意味、効果のあることなのか、仮にトランプ大統領がシリア政府が内戦で化学兵器を使用したと断定するならば、シリア・アサド大統領の責任は大きく、化学兵器関連施設1日攻撃だけで済む問題ではない。

 特に13年にアサド大統領も了解して国内のシリア政府化学兵器を国際機関のもとで全廃したとするならば、今回さらに内戦で化学兵器が使用されたとするアサド大統領、政府の責任は見逃すことはできない。

 (5)米英仏としてもシリア政府の後ろ盾、支援のロシアとの対立関係もありシリア内戦に深く関与することもできないが、すくなくとも今回の米英仏のシリア軍事攻撃はシリア内戦に対してどういう効果があったのか理解するのはむずかしい。

 アサド大統領、シリア政府に対する警告的な意味、効果はあったのだろうが、攻撃準備に時間も要して攻撃前にシリア政府軍は軍事拠点から撤退しているという報道もあり、先が見通せない米英仏のシリア攻撃だ。

 (6)内戦は極めて国内問題と言われるが、アサド大統領、シリア政府を支援するロシアのシリア内戦参戦からの撤退は必要不可欠な条件であり、国連安保理で問題にされるべきことだ。

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