いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

米中経済戦争。 economy war between usa and china

2018-04-05 19:43:02 | 日記
 (1)米中の経済戦争(economy war between usa and china)が本格化している。仕掛けたのは米国トランプ大統領で鉄鋼、アルミ製品の輸入制限措置に続き、中国を対象にした1300品目に25%の追加関税を課す強硬方針に対して、受けて立つ中国は大豆、自動車など米国貿易に影響の大きい106品目に25%の追加関税をかけて(報道)対抗する。

 (2)中国駐米大使は「中国は断固として、同等の規模、金額、強さをもって反撃する」(報道)と述べているが、「同等」との対抗措置に経済ゲーム感覚がみえる。
 経済戦争でまず米国トランプ大統領の仕掛けに対しては、受けて立つ中国とすればそれをしのぐ規模の強い経済対抗措置で反撃し米国に自重を求めるのが受けて立つ戦争の仕方なのではないのか。

 (3)経済戦争を売られた中国としては、これみよがしの「同等」反撃では何のための経済貿易戦争なのか、やる意味のない不利な戦争ということになる。
 GDP1位と2位、巨大市場の米国と中国の経済貿易戦争ということになれば、2国間問題にとどまらずに米国の鉄鋼、アルミ製品輸入制限とあわせて世界経済に及ぼす波及被害影響もあり、GDP1位、2位国、巨大市場国として相応の責任を取らなければならない。

 (4)中国としてはGDPで桁違いの巨大経済強国の米国との直接的な経済貿易戦争は避けたいところだろうし、そのための控えめの「同等」反撃で様子を見るところが伺えるものだ。

 しかしこの米国発の世界経済戦争は、米国での政権の今後の行方を占うといわれる今年11月の中間選挙に向けてトランプ大統領が国内産業、市場経済に対して優位(advantage)を確保、誇示して経済マイノリティ支持層を固めたい、強固にしたい政治的思惑、意図のあるものだ。

 (5)相変わらずのトランプ大統領の保護主義、米国第一主義の自国利益優先のために世界経済戦争、そしてその標的としての中国経済に対する強硬措置という不条理(unreasonableness)なシナリオだ。

 日本は米国の鉄鋼、アルミ製品の輸入制限対象国として、安倍首相が4月中旬に訪米して対象外措置を要請するとみられている。

 (6)トランプ大統領の仕掛けた世界経済戦争に対しては、米国内経済への価格高騰の反作用、影響被害拡大の指摘もあり、これまで株価高騰、安定に支えられてきたトランプ大統領、政権としてはこれで株価下落効果となれば(その傾向がみられる)、ますます窮地に追い込まれかねない反動作用ともなる。

 米国トランプ大統領としては5月までの米朝首脳会談の実現による世界注視の政治的効果も見込んだ、アドバンテッジとしての中国との経済貿易戦争なのだろう。

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