(1)夜遅く(午後9時前)国会近くをランニング中の自衛隊員(統幕3佐)が民進党議員を見つけて名前を呼び「お前は国民の敵だ」とののしり続けた(報道)といわれる。
夜遅く国会近くとはいえ、通りかかった個人の民進党議員、氏名を即座に判断するというのは余程の政治に関心のある人でもそう簡単ではない。
そうして時代錯誤もはなはだしい今では聞くこともない「国民の敵」発言は、十分にはじめから準備して意図されたものであるとしか思えない。
(2)尋常な精神状態だったのかもわからないが、そうでなければ上述のような状況をみればあえて混乱を狙った用意周到な暴言行動だったとしか考えられない。
自衛隊は不存在としたイラク日報の1年遅れの公表でシビリアン・コントロールの低下が政治、社会問題となっており、防衛省あげて信頼回復に取り組まなければならない事情の中で、冒頭のような自衛隊員による国会議員への暴言(violent language)、ののしりはどうして起きたのか。
(3)防衛省内では制服組の立場、地位の向上が進んで、そうした意識、自覚が自衛隊内にもまん延して隊員の中に意識過剰、おごりがみられているのではないのか。稲田前防衛相の国会対応、答弁の不始末、不手際に際して、隊員の中には公然と防衛相を非難する声も聞かれた。
日本の防衛を担い実力組織といわれる自衛隊の規律、規範が揺らいで統治、統率能力を失えば、実力組織が独り歩きするようなことがあれば、戦前の軍国化の懸念も心配される。イラク日報の存在の1年遅れの小野寺防衛相への報告など懸念材料はある。
(4)さらに財務省問題で窮地に追い込まれている安倍政権の足を引っ張ることで、何かと政治から重い負担を押し付けられる自衛隊の存在を誇示しようといううがった思いも、自衛隊員による民進党議員への「国民の敵」発言には考えられる。
小野寺防衛相はこの件について「若い隊員なのでさまざまな思いがある」、「彼も国民の一人なので当然思うことはあると思う」(報道)とこれを擁護、理解するような発言をしており、自衛隊の偏向姿勢に不安を抱かせるものだった。
(5)いうまでもなく、自衛隊員は自衛隊法にもとづき政治的行為を原則(選挙権行使を除く)として禁止されており、国民の安全、権利などを守る立場にあり、守るべき国会議員に対して「国民の敵」呼ばわりは言語道断の規律違反行為だ。
これに対して小野寺防衛相は国民の一人以上に自衛隊員の義務行為として暴言をいさめることが優先して求められているのに、そうはしなかったことはシビリアン・コントロールが機能していないことを露見したものだ。
たとえ国民の一人としても国会議員に対して「国民の敵」発言はありえない暴言だ。
(6)実力組織の自衛隊の統治、統率能力が働かないことは、議会制民主主義、自由主義国家の日本に対する非常に危険な兆候として見過ごすことができないものだ。
冒頭の自衛隊員による特定の民進党議員への「国民の敵」発言はどう理解していいのか困惑する。
政治状況が安倍首相の保守強行思想、理念が強く影響して1強時代ともいわれて、右傾化していることと無縁ではないだろう。その安倍1強も風前の灯で、自衛隊員はこれに危機でも抱いているのか。
夜遅く国会近くとはいえ、通りかかった個人の民進党議員、氏名を即座に判断するというのは余程の政治に関心のある人でもそう簡単ではない。
そうして時代錯誤もはなはだしい今では聞くこともない「国民の敵」発言は、十分にはじめから準備して意図されたものであるとしか思えない。
(2)尋常な精神状態だったのかもわからないが、そうでなければ上述のような状況をみればあえて混乱を狙った用意周到な暴言行動だったとしか考えられない。
自衛隊は不存在としたイラク日報の1年遅れの公表でシビリアン・コントロールの低下が政治、社会問題となっており、防衛省あげて信頼回復に取り組まなければならない事情の中で、冒頭のような自衛隊員による国会議員への暴言(violent language)、ののしりはどうして起きたのか。
(3)防衛省内では制服組の立場、地位の向上が進んで、そうした意識、自覚が自衛隊内にもまん延して隊員の中に意識過剰、おごりがみられているのではないのか。稲田前防衛相の国会対応、答弁の不始末、不手際に際して、隊員の中には公然と防衛相を非難する声も聞かれた。
日本の防衛を担い実力組織といわれる自衛隊の規律、規範が揺らいで統治、統率能力を失えば、実力組織が独り歩きするようなことがあれば、戦前の軍国化の懸念も心配される。イラク日報の存在の1年遅れの小野寺防衛相への報告など懸念材料はある。
(4)さらに財務省問題で窮地に追い込まれている安倍政権の足を引っ張ることで、何かと政治から重い負担を押し付けられる自衛隊の存在を誇示しようといううがった思いも、自衛隊員による民進党議員への「国民の敵」発言には考えられる。
小野寺防衛相はこの件について「若い隊員なのでさまざまな思いがある」、「彼も国民の一人なので当然思うことはあると思う」(報道)とこれを擁護、理解するような発言をしており、自衛隊の偏向姿勢に不安を抱かせるものだった。
(5)いうまでもなく、自衛隊員は自衛隊法にもとづき政治的行為を原則(選挙権行使を除く)として禁止されており、国民の安全、権利などを守る立場にあり、守るべき国会議員に対して「国民の敵」呼ばわりは言語道断の規律違反行為だ。
これに対して小野寺防衛相は国民の一人以上に自衛隊員の義務行為として暴言をいさめることが優先して求められているのに、そうはしなかったことはシビリアン・コントロールが機能していないことを露見したものだ。
たとえ国民の一人としても国会議員に対して「国民の敵」発言はありえない暴言だ。
(6)実力組織の自衛隊の統治、統率能力が働かないことは、議会制民主主義、自由主義国家の日本に対する非常に危険な兆候として見過ごすことができないものだ。
冒頭の自衛隊員による特定の民進党議員への「国民の敵」発言はどう理解していいのか困惑する。
政治状況が安倍首相の保守強行思想、理念が強く影響して1強時代ともいわれて、右傾化していることと無縁ではないだろう。その安倍1強も風前の灯で、自衛隊員はこれに危機でも抱いているのか。