いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

北朝鮮の透明性。 transparency of north korea

2018-04-23 19:52:00 | 日記
 (1)北朝鮮の金正恩委員長が中央委員会総会で国内向けに「もはやわれわれにいかなる核実験や中長距離ミサイル、大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射も必要なくなり、北部核実験場もその使命を終えた」(報告要旨報道)と宣言した。

 「核兵器のない世界の建設に積極的に寄与しようとするのはわが党の平和愛好的立場である」(同)とも述べている。金委員長の訪中で中国に対して述べた趣旨の「核兵器のない世界の建設」という核保有国にも応分の相応の負担を求める意思も示したものと受け止められるものだ。

 (2)国連安保理での北朝鮮への経済制裁強化の効果とともに、米国トランプ大統領が米朝首脳会談実現に向けて積極的対応姿勢をみせたことで、金委員長としても一定の成果が得られたことに対するこれまでの姿勢、方針転換の表明だ。

 もちろん北朝鮮の一方的な転換方針だけでなく米国の北朝鮮敵視政策の方針転換を求めるものだけに、方針転換は一夜にして元に戻ることも考えられて定着したものではない。

 (3)核保有大国の既得権益保護による都合のいい後発核開発国の北朝鮮の核廃棄の圧力の不条理、不合理さ(unreasonableness)だけに不平等性は残る。米朝交渉を有利に導こうとする北朝鮮の意図が出たもので、これで朝鮮半島が非核化する保障はない。

 今後北朝鮮が国際社会の非核化の検証、査察をどう受け入れられるのかまったく不透明なだけに、北朝鮮の方針転換の実現には課題、問題も多い。

 (4)直近の世論調査で安倍内閣支持率が30%に急落して自民党支持率とほぼ同じの危険水域に突入して、安倍首相に責任ある64%、総裁を代わった方がよい59%の窮地の安倍首相にしては、米朝首脳会談でトランプ大統領が取り上げると約束している拉致問題がどう動くのか政権浮沈の拠り所と期待するしかない状況といえそうだ。

 (5)北朝鮮は拉致問題は解決済みとの従来の方針を主張して、それでも一応調査ぐらいの対応、協力はすることは考えられるが、非核化ほど米朝間での確約問題とはしないだろう。

 日本国民としては拉致問題が進展することを願うばかりだが、せめて日本政府との交渉、話し合いのプロセスをトランプ大統領がつけてくれることに期待したいところだ。
 ここにきて安倍首相も盛んに当時自民党役員として小泉首相と訪朝して拉致問題の当事者専門性を自認して、自らの手での拉致問題解決を主張しており、政権浮上とあわせて絶好の機会ととらえているのではないのか。

 (6)日朝首脳会談の実現は不透明なだけに、米朝首脳会談への期待は大きい。米朝首脳会談と北朝鮮経済制裁強化との関係も微妙だ。北朝鮮非核化の見返りを巡って重要課題となる。

 北朝鮮金委員長としては念願のトランプ大統領との首脳会談の実現を受けて国際社会に存在感を示したいところで、それはそれで北朝鮮の孤立化よりは国際社会の枠組みに加わることで北朝鮮に透明性(transparency of north korea)を持たせる効果は期待可能だ。

 (7)この北朝鮮の透明性確保が拉致問題の進展、情報に重要だと考える。

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