いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

亡国の陸自。 the ground self defence forces of a ruined country

2018-04-06 20:11:09 | 日記
 (1)陸自イラク日報問題は当初今年1月に存在を確認してそれが小野寺防衛相に報告されたのが3月末というロスが問題となっていたが、翌日にはこれが実は1年前の昨年3月にすでに存在が確認されながら陸自内で伏せられて1年後の小野寺防衛相への報告となったことが同防衛相によって公表された。

 1年間伏せられていたことについては、当該発見部署が「国会で問題になっている文書とは思わなかった」(報道)と説明しているといわれるが、厚顔無恥もはなはだしい陸自部隊の横暴さだ。

 (2)昨年2月の国会で当時の稲田防衛相がイラク日報は「残っていないと確認した」(報道)と答弁しており、防衛省にとってはあわせて南スーダン日報は残っていないとして対応が野党から追及を受けて稲田防衛相の答弁、対応の不手際が社会的にも問題視されていた時期なので、前述のような陸自の「問題になっている文書とは思わなかった」発言は言い逃れ、ごまかしの詭弁でしかない。

 完全に当時の稲田防衛相が防衛省内、陸自を統轄できていない不都合にまん延していたことを示すもので、あらためて問題、驚かされた。

 (3)当時の稲田防衛相に対しては自衛隊員の中からも公然と批判の声(報道)も聞かれて、シビリアンコントロールに疑念、懸念が持たれていた。
 国会では森友、加計問題で財務省、文科省の公文書に関わる虚偽文書疑惑に裁量労働制審議では厚労省の不正データねつ造問題と法案審議における重要資料となる基本公文書、データの信頼性、真実性を失う政府の暴挙がはびこって政治不信は頂点に達していた。

 (4)そこへきての防衛省のイラク日報存在の立て続けの訂正による存在発見から1年後の防衛相への報告という驚天動地の不始末だ。
 これまでの財務省、文科省、厚労省の不始末と違って、防衛省というのは陸海空の軍事力、戦闘力を持つ実力組織の自衛隊を管轄するところで、自衛隊制服組が理由にもならない説明で国会で問題になっていたイラク日報の存在を1年も伏せてきた事実は、桁違いに危険で大きいものがある。

 (5)今回の件で自衛隊制服組トップの幕僚長は「大臣および国会に対して背信行為を行ったと言われてもしょうがない」(報道)と述べている。
 防衛省というのは国防最高軍事機密を有して省外には極めて閉ざされた実力組織であり、防衛省、自衛隊内で何が行われて、進められているのかよくわからない闇、不安、懸念がつきまとう。

 自衛隊トップが背信行為だったことを認める発言は、国民主権、議会制民主主義の日本では聞き置くことができない、発言にはなかった「国民」に対する危険、反逆行為として許すことなどできないものだ。

 (6)こういうことを聞き流していては、将来的に実力組織の自衛隊が政治、国民に対して反動行動につながる危険にもなり看過、容赦できない。
 半世紀近く前には作家三島由紀夫は陸自に乗り込み、当時自衛隊の憲法違反が争われていた自衛隊の存在の正当性のために決起(クーデター)を促し失敗自害した例もある。

 (7)現在政治は安倍首相の保守思想の強い理念の中で自衛隊を明記する憲法改正を目指している。森友問題も保守思想教育への安倍首相、昭恵夫人の関心が起因ともなっている。

 今回の陸自イラク日報存在の1年放置問題は、国民主権、民主主義危機への重大なインシデントとして徹底的に問題を根絶しなければならない重大事態だ。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする