いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

安定不況から分断。 to division from stable depression

2021-10-20 20:39:11 | 日記
 (1)経済評論家でくくっていいのか、一時代の日本経済の評論、論壇を代表する経済知識人の内橋克人さん(89)が亡くなった。後年は高令化介護社会問題にもかかわった。内橋克人さんの経済論で印象に残っているのは、日本はすでに安定不況時代に入っていて成長は見込めないという趣旨の発言だった。

 (2)10年以上もデフレ不況が続いて不況克服が政治、経済の大きな課題であったが、これからは経済成長時代ではなく不況が定着した社会でどうやってそのパイの中で経済を回し、社会、生活を安定させていくのかが問われる時代だというように理解したが、戦後の高度経済成長時代のくり返しの夢ではなく少子高令化社会の到来を考えての安定不況時代、収入に見合った生活の経済論なのだろう。

 (3)安倍元首相、政権はデフレ脱却を目指して従来のカネの2倍を市場に供給する大胆な金融緩和策で円安株高効果を生んで、大企業、富裕層恩恵の利益をもたらしたが、官邸主導政治で経済活動に政治介入して賃上げ推進に結びつけたが、中小企業、地方、国民生活には効果は及ばずに二極分断社会のへい害をもたらした。

 (4)近代世界は情報化時代、社会、グローバル化の到来によりIT産業革命が起きて、米国ではGAFAといわれるIT巨大企業が世界的な経済利益を独占して、これに中国の経済成長、発展にともない中国の巨大市場を巡る米中貿易戦争を迎えて分断が進み、米国でもバイデン政権は富の再配分、分厚い中間層実現に投資する分断社会解消に乗り出している。

 (5)日本では岸田首相、政権が成長と分配の好循環社会実現を目指して、中間層利益拡大、経済再生に取り組む姿勢を示している。与野党は総選挙公約で成長と分配どちらが先かの政策論争をしているが、成長なくして分配なしなのか、分配なくして成長なしなのか意見がわかれる。

 どちらも経済成長を必要不可欠な経済理論として考えているが、賃上げによる分厚い中間層実現の投資の具体策、あり様、対策はみえてこない。

 (6)岸田首相は新しい資本主義といっているが、近年資本主義は分断社会を生んで後退、危機ともいわれて、比較して中国をはじめとして新興国の経済成長は著しく中国の世界戦略、影響力は米国の脅威ともなっている。

 岸田首相は賃上げ企業への税制優遇策を持ち出しているが、そもそも赤字企業には法人税負担が免除、必要ないなど税制対策はあり、賃上げ税制がどこまで有効なのか専門家からも疑問の指摘があり、経済実体が安定不況から分断に姿を変えて成長と分配の経済再生は容易ではない。

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