いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

教科書政治。 text style politics

2021-10-11 20:17:49 | 日記
 (1)岸田首相の所信表明演説を読んでみると教科書を読んでいるようで、あれやこれやテンコ盛りでこれだけやり切ればいい日本にはなるだろうというものだった。所信表明なので施政方針と違って野党がいうように具体像、具体策がみえないという批判もあたらずに、これからの政権運営で実行、実施していくことになるのだが、教科書をみるようなテンコ盛りのら列型消化不良が問題だ。

 (2)早速、政策財源裏付け保障にあたる財務省事務次官が月刊誌に投稿して、衆院選や自民党総裁選に絡む政策論争を「ばらまき合戦のようだ」(報道)と批判して、「先進国でずばぬけて大きな借金を抱えて」、「タイタニック号が氷山に向かって突進しているようなもの」と危惧している。

 投稿は当時の麻生財務相の了解(同)を得ているといわれるが、そういう国家財政にしたのも長期担当の麻生前財務相、財務省の予算編成、執行の膨大化が原因であり、自戒の念もなく反省もみられない。

 (3)しかし岸田首相の所信表明演説をみると、「ばらまき合戦」は的を得ているのではないのかとも思う。安倍元首相、政権が財務省が望む消費税引き上げを延期したり、年度予算100兆円超えを続けて財政圧迫の中で麻生財務相の退任にあわせて財務事務次官の「ばらまき合戦」投稿の恨み節となってあらわれたと考える。

 (4)その中でも岸田首相は総裁選中から経済再生が基本だと述べて、富の再分配、成長なくして分配なしの新しい資本主義を掲げて中間層を守る新しい時代の資本主義経済を唱えている。バイデン米大統領も大企業、富裕層に課税強化して、中間層の利益を拡大する経済政策を唱えており、トランプ前大統領の米国第一、保護主義により世界、米国での分断社会の解消のための取り組みが主流になっている。

 (5)経済安全保障があたらしい概念として注目されており、世界は米国と中国の軍事対決よりも経済貿易戦争による対立が激しくなり、一時は双方の課税強化合戦で世界経済への影響も深刻な問題となっている。

 技術開発、知的財産権の保護、頭脳流出の改善、経済戦略物資の確保、分厚い中間層実現社会を保障する経済政策だ。

 (6)日本が議長国のTPPはアジア、太平洋諸国から英国、南米そして中国、台湾も参加申請が相次いで、相互に関税撤廃による自由貿易主義、体制の実現を目指しており、トランプ前政権時代に交渉から離脱した米国がどう反応するのか、日本の経済安全保障にも影響は大きい。

 国家財政累積赤字1000兆円を超える日本で財政健全化が避けて通れない課題であり、教科書どおりにはいかない岸田政権、政治の本質論(essence)が問われることになる

 

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