(1)クインシー・ジョーンズ(Quincy Jones)さんまでもが、亡くなった。現代音楽をたえずリードしてジャズのビッグバンドも構成して、つくり出す音、音楽はきらびやかできらめき、鋭角的で芳醇(ほうじゅん)ではつらつ、名前のクインシー・ジョーンズを聞けばパッと目の前が光り輝く力強さがあった。
(2)いつしかクインシーさんも91才を迎えていたとは知らずに、帰らぬ人となった。マイケル・ジャクソンさんのアルバム「スリラー」などを手がけた名プロデューサーというよりプレイヤー、コンポーザー、アレンジャーとして現代音楽をつくり、けん引してきたクインシーさんの印象の方が好きですばらしかった。
(3)昨年、今年と一時代、年代、世代を率いてきた名ミュージシャン、音楽家、芸術家などが亡くなって、象徴する時代の終わりを実感させられてきたが、ここに来てクインシーさんが亡くなったことはこれまでのすべての時代、年代、世代が終わったことを強く印象づけるものとなった。
クインシーさんもいつのまにか91才になっていて、時代の移り変わりの早さを感じる。ビートルズもJ.レノンさん、G.ハリスンさんが亡くなって久しいが、しかし何といってもP.マッカートニーさんが81才で音楽活動、コンサートを精力的に続けていて、「ビートルズ」はまったく過去のものではなく今も時代に生き続ける未曽有のバンドとして存在しているからその時代は続いている。
(4)クインシーさんが亡くなったというニュースはひとつのというかいくつものというか時代、年代、世代が終わったことを伝えるものとなった。クインシーさんといえばジャズ、ブロードウエイ、ミュージカルの本場ニューヨークをイメージするが、最後の自宅はロサンゼルスということでそうかあそこに住んでいたのかと感慨深いものがある。
(5)時代をリードしたミュージシャン、音楽家、芸術家などが昨年、今年と亡くなるニュースを聞くと、その時代、年代、世代と現時代の分断、分離、別離、かい離の深さが浮き彫りになり、今の時代は試行錯誤のボヘミアン(bohemian)、エクザイル(exile)の漂流、放浪、流浪の時代を生きているといえる。
(6)いつかはまた芳醇できらびやか、きらめくはつらつとした時代をみつける日がくること期待する。