(1)石破首相は政治理念、思想、信条をみると保守本流を歩いている政治家であったが、権力闘争に敗れて主流、中枢から外れて日陰の政治を続けてきた政治家で、その石破議員を自民党が総裁、首相に選んだ今年は自民党が変わる、変われる転機になると思えたが、やはり今の自民党を支配するのはあるいはしようとするのは岸田前首相であり、菅元首相であり、麻生元首相という旧来前としたあやしい長老政治の保守思想体制であり、古老政治であった。
(2)石破首相は岸田前首相の経済、財政政策、新しい資本主義、増税策を引き継ぎ、その岸田政権と距離を置いて無派閥を通して批判勢力を貫いてきた菅元首相を副総裁にして配慮して、唯一の派閥麻生派も残したままだ。
こうした古老政治は石破首相の政治理念、思想、信条のいわゆる石破カラーを封印して、ずっと自民党の本流、中枢から外れて歩いてきた石破首相の政治行動をも封印してきた。
(3)石破カラーというものがあるとすれば、自民党保守派に根強くある核保有論でありこれを支持し、自衛隊を国防軍(憲法改正)とした主権国家としての自主的日本防衛論だ。石破首相は米国の核兵器共同管理論を展開している。
米国に極めて評判の悪い日本版のアジアNATO化構想であり、自衛隊の米本土基地化だ。それらには憲法改正は前提であり、状況が許すなら目指すものと考えられる。
(4)こうしてみると石破首相、政権、石破カラーというものは、保守思想、主義の強い軍事防衛国家主義としての自主独立国家体制であり、もちろん民主主義国家を80年近く歩んできた歴史は変えられないが先祖返り思想、思考ともいえる懸念はある。日本は国民主権国家であり、国民が支持するのか、理解するのかは問題がある。
自公連立の過半数割れで躍進した国民民主との政策ごとの部分連合体制では、石破カラーはますます発揮することはむずかしい。
(5)米国は再びトランプ大統領を選んだ。8年前にヒラリー・クリントン元国務長官ではなくトランプ大統領を選んだことで既成政治、エスタブリッシュの拒否、米国の繁栄効果を受けられなかった人々の不満社会を浮き彫りにしたが、融合することなく分断、対立を助長して米国の凋落が始まり、今またトランプ大統領を選んだことで凋落をさらに加速させる。‘ ah , cruelty ’