(1)政治とカネの問題はくり返されて政治家からは政治にはカネが要るという声を聞くが、カネの世の中でカネの要らないところはなく、どこだって、誰だって生きていく上ではカネは要る。だから政治が必要で、国家、国民、社会のためにカネの回りの制度、仕組み、経済、金融、貿易が必要となってくる。
(2)政治家が政治にカネが要る論は特権意識の代弁であり、権力、権限、利益独占のこざかしい浅はかな論理だ。国力を何ではかるのかというと政治、経済、国民(人口)、生活、文化、教育といくつかあるが、やはり経済力というのは大きな要素だ。
現在、国の経済力をはかる基準はGDP(国民総生産)が用いられて、米国が桁違いの1位で以下中国、独、日と続く。日本は2位から中国に抜かれて3位に、今年独に抜かれて4位になり近い将来に人口世界一の印に抜かれて5位になることが確実とみられている。
(3)GDP基準からみれば日本の国力は下降線でアジア諸国の追い上げも著しいといわれる。情報化、環境時代でGDPでは国力を正当に評価できない世界になっているといわれて、IT、IoT、AI社会、気候変動対策も重要な国力基準と考えられる。
国力世界基準が経済主体から政治、国家、社会に見方が広がってきており、国力基準の政治家の役割、使命、責任もさらに大きくなっている。
(4)経済というのは近現代社会では商品、製品開発製造の産業革命で時代、世界、国民生活の向上に貢献するというレトリック(rhetoric)を言われるが、経済人の意図、目的、手段はカネ儲けであり、極めて個人主義(individualism)的なものだ。
トランプ政権では世界の長者番付で上位のテスラ会長のイーロン・マスク氏が米大統領選挙中からトランプ支持を表明して、財力を背景に支持者に膨大多額のプレミアム金を提供する手法(米裁判で認められた)で貢献した。
(5)トランプ大統領が経済規制緩和に積極的な考えを示しており、イーロン・マスク氏の事業計画に有利になるとの判断があるといわれる。トランプ大統領はイーロン・マスク氏を政府の要職に起用することを表明しており、政治に個人的な経済バイアス(bias)を持ち込む公私混同の危険性、問題が懸念される。
(6)石破首相は少数与党代表として世界の政治リーダーと向き合うことになり、足元をみられた交渉、協議に難航が伝えられている。
しかし、世界の国々でどれだけ「優れた」政治指導者がいるのか見当たらず、どこもかしこも似たり寄ったりのただ個人主義者で、石破首相もその点では臆することなどない。