(1)トランプ大統領は1期目の反省から(この人も反省するらしい)2期目の高官人事は「忠誠心」が基準といわれて、いわゆる「only yes cabinet」だ。トランプ大統領に誰もが反対できない政権で、最後の大統領職とあってやりたい放題の体制固めに違いない。
(2)一部には4年後も自らの路線が継承される共和党政権が続くために、少しは遠慮、配慮もあるのではないかとの記事もあるが、まるで建国開拓時代に戻ったかのような領土購入から運河管理権返還までこれから何でもかんでも手に入れようと触手する姿勢からは、始まったばかりだがとどまることがなく誰も止めることが出来ないトランプ流儀だ。
(3)この勢いではG7からの撤退もあり得るのではないかとさえ思える。1期目ではEUを主導する当時のメルケル独首相が中国との関係を重視していたこともあり、世界気候変動会議(協定)からの離脱、NATOからの撤退を主張していたトランプ大統領に対してG7会議でトランプ大統領の面前で両手を机について、腕を組み下をみつめるトランプ大統領をにらみ抗議、意見を述べる場面が報道されたことがあり、当時の安倍首相が心配そうにけげんな表情で間を取り持っていたのが印象的で、国際政治、社会ではトランプ大統領に意見を言える政治リーダーがまだいた。
(4)トランプ大統領としては今は逆に物足りなくて、そもそも多国間ディールではなく2国間ディールに重点を置くトランプ大統領がG7など問題にしないのではないかと懸念する。G7の後、中国、露、印などG20の存在が大きくなった時期もあったが最近はG20も統一見解が出せない不一致が目につき影響力が低下しており、印、アフリカ、南米新興国のグローバルサウスが台頭してG0(ゼロ)時代といわれて、反面、G7の結束が見直されることにもつながっている。
(5)トランプ大統領がいつNATOからの撤退に言及するのか、しないのか、EUと米国の貿易額格差に高関税を示唆して他国に比べて米国のNATO負担金の多さを問題にしており、ウクライナ戦争の停戦に向けて米国のNATO離脱を重要ポイントにする日がくるかもしれない何でもありのトランプ2期目だ。