(1)阪神タイガース岡田監督が使って今年の流行語になり、年間流行語大賞にもあがっている「アレ」だが、日本人なら誰しも日常よく使う言葉だ。「アレしといてくれ」、「アレないか」とはよく使う言葉だ。
てっきり岡田監督もそういう軽い日常言語として使っているのだろうと思っていたら、選手に「優勝」という言葉を使うと意識して、緊張するので「優勝」という言葉を使わずに「アレ」で通したということを語っていた。
(2)岡田監督は今年15年ぶりに阪神監督に就任して、今年ペナントレース前には優勝するとはよういわへんけど9月になってそれにからんでいる姿はみせたいと語っていたが、「アレ」よ「アレ」よとペナントレースを勝ちあがり9月には早々にセリーグ優勝を決めて、クライマックスシリーズも順当に勝ち上がりパリーグ覇者のオリックスとの日本シリーズも4勝3敗で勝ち抜き阪神を38年ぶりに日本一に押し上げた。
(3)38年ぶりに日本一といっても連日応援にかけつけたファンにとっては「はじめて」の阪神日本一という人も多いのではないのか。
岡田監督の選手起用、采配は、こちらの方は岸田首相の大臣起用とは違って適材適所の妙、適格性があって、見事な日本一采配だった。
(4)こちらの「目標」はどうか。世界トップレベルの研究大学を目指す政府の「国際卓越研究大」の第1号に東大、京大など提案申請した中で東北大が選ばれる見通しだ。認められれば最長25年間、総額数千億円の巨額助成金が支給される。
研究費不足、捻出が課題の大学にとってはありがたい政府支援だが、認定と引き換えに東北大の「目標」、「約束」はこれまで約6800本の論文数を25年目に「3.5倍」の2万4000本にする。
研究成果で得た知的財産(特許)収入は現状の年4億8100万円から25年目に41億7000万円と「9倍」を目標とする。
(5)日本の大学の国際的な評価は政府の教育研究への投資の低さが影響して、かなり低く、この東北大の野心的、改革目標、約束は政府の大学ファンドによる「国際卓越研究大」の第1号として選ばれる見通しだ。
東北大学長は「世界をリードする研究大学へ全学一丸となって力を尽くす」(報道)と決意を述べているが、あてが外れたか他大学などからは「率直に言ってかなり無理した目標」、「実現すればすばらしいが、本当にできるのか非常に懸念がある」(同)と手厳しい。
(6)日本の大学などの引用される研究論文数は現在トップの中国に大きく遅れを取りベスト10から外れて、ノーベル賞級の若手研究者も育っていないといわれる現状を東北大が覆(くつがえ)せれるのか、目標、約束は大きくは必要だが、岡田阪神の成功例も少しは見習ってはいかがか。