いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

公約に見る政治レベル。 the pledge indicate the political level

2014-11-25 19:29:17 | 日記
 (1)安倍首相は消費税10%引き上げを18か月先延ばし17年4月には必ず引き上げるとして、衆院を解散し総選挙で国民に信を問うとした。
 3党合意による法に定めた消費税引き上げを実施できなかった政治責任を17年4月には必ず引き上げることで国民の信を問うことらしいが、消費税引き上げ財源は社会保障費に充当することが決められており、問われるのは消費税18か月先延ばしによる社会保障費財源の充当不足をどう補てんし、あるいは将来の社会保障政策をどう変化させるのか、させないのかを国民に示して信を問うことでなければ解散総選挙の意味も意義もない。

 (2)単に消費税引き上げ先延ばしが3党合意による法規定に反するからその政治責任を国民に問うでは刹那的で情緒的無責任で、これでは確かに広い視野で主権、国民、未来、現在、過去を考える「政治」などまかせられない。

 今回の解散総選挙はかねてから安倍首相が特定秘密保護法の強行成立、集団的自衛権の行使容認を急いだことに、「そのうち」国民に信を問うと言っていたので、ようやくその機会が来たということでこれはこれでやるべきことだと書いた。
 しかし冒頭のような理由では、ただの合意3党間で話をつけなさいということになる。

 (3)消費税10%引き上げ判断にあたって、市場を取り巻く経済指標データ予測が厳しい中で政府は宇宙基本計画を今後10年間で5兆円規模で推進する政策を表明した。
 厳しい経済指標データ予測の中で消費税10%引き上げはむずかしく、消費税引き上げ効果に相当する宇宙基本計画の5兆円をこれに補てんしたらどうかと書いた。

 宇宙開発計画は国それぞれが独自に研究開発を進める不効率よりは、国際的な技術開発協力体制(たとえば現在の国際宇宙ステーション事業のような)で進めるのが効果的だからだ。

 (4)消費税10%引き上げ先延ばしによる社会保障費の充当財源の代替案あるいは社会保障政策の変更を示して国民に信を問うのが「政治論」だ。
 たとえば代替財源として宇宙基本計画の5兆円がいいのか、悪いのか具体的な政策で国民の信を問うことが政治論なのだ。

 本日、民主党、維新の党、次世代の党が選挙公約(pledge)を発表した。日ごろの政策不毛のツケ、選挙用のにわか仕立ての公約でそれぞれがおびただしいばかりの政策課題名のら列で、冒頭の安倍首相の解散総選挙理由に通じる情緒論で政治論ではない。
 公約は政治レベルを示す(the pledge indicate the political level)。総花的、主体性のない公約では理解、支持を得るものではない。

 (5)公約といいながら「求める(require)」、「進める(advance)」、「目指す(aim)」で結局何をやる(実現する)のかわからない。
 民主党は「消費税引き上げを延期」し「社会保障制度の充実、安定化」社会をつくるというが、財源はどうするのか説明がない。09年民主党政権時代の失敗のままだ。
 維新の党は「景気が悪くても消費税を10%に自動的に上げる」ことに反対し、「適正な保険料、適正な給付を実現」するというが、負担が高くなったり、給付が減ったりどうにでもなるとの不明瞭さで公約とはいえない。
 わずかに民主党は「身を切る改革を『断行』する」というが、1票の格差是正問題で最高裁の違憲状態判決に押されてこれまで国会で協議をくり返してもせいぜい0増5減程度しか切り込めずに時間の浪費で「断行」できるのか信頼性は乏しい。

 (6)政治レベルを上げるには国会議員総とっかえが必要ではないのか。

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公約の課題。 theme of pledge

2014-11-24 19:43:53 | 日記
 (1)衆参絶対多数を占めていた安倍連立政権だから余程のことがない限りは、このまま衆院4年間の任期はまっとうするのではないのかと思われていた。
 安倍政権になってアベノミクスのいきなりの日銀の大胆な金融緩和策で一気にそれまでの円高株安不況から円安株高に転じて企業業績、経済、景気回復基調をもたらして、安倍内閣支持率も1年以上も50%以上を維持して安定して政治は一強多弱時代が続いた。

 野党となった前政権の民主党は政策自己否定の政権後遺症からアベノミクス効果に振り回されて、他の野党も支持率ヒト桁前半台に低迷してアベノミクスに日ごろから有効な対抗政策を打ち出せないままできた。

 (2)ところが9月の安倍第2次内閣改造後1か月のうちに女性2閣僚の同時引責辞任で風向きが変わり、4月の消費税8%引き上げ後物価高が賃上げ効果を上回りGDP2四半期マイナス成長となって、3党合意の来年10月消費税10%引き上げが困難な経済状況となり、俄然順調に来たかに見えたアベノミクスへの評価は暗雲が立ち込めて消費税10%引き上げ先延ばし12月解散総選挙となった。

 (3)安倍政権はアベノミクスを謳歌して、国民の過半数が反対(世論調査)する特定秘密保護法の強行成立、集団的自衛権の行使容認の閣議決定を急ぎ、原発再稼働を将来エネルギー基本計画に取り入れて、中国、韓国とは外交対立を続けてきた。

 アベノミクス政策は貿易収支の連続赤字に物価高が賃上げ効果を上回り消費動向を冷え込ませ、GDP2四半期マイナス成長という結果を招いた。
 一方の野党はこの2年間低支持率の中で存在感もなくアベノミクスに振り回されてきた。

 (4)一強多弱時代の中で4年間の任期をまっとうするとみられてきた衆院が急転解散総選挙を迎えて、建設的な政策不毛の時代の中で各党は選挙公約(pledge)に追われることになる。

 安倍首相は「アベノミクス解散」としてこれまでの経済金融政策に焦点をあて、野党は「大義のない解散」としてアベノミクス失敗を追及する構えだ。
 09年衆院選時の政策実施設計書としてのマニフェスト(manifesto)は姿を消して変えて、選挙用のにわか仕立ての公約だ。

 (5)安倍政権は17年4月の消費税10%引き上げ実施を表明し、地方創生、女性活躍社会の実現、軽減税率の導入を柱とした経済政策が中心だ。
 多分思わぬ、だから「大義のない解散」として受けて立つことになった民主党は議員定数の削減、労働者保護、所得中間層に厚い家計支援、農業対策に集団的自衛権行使の撤回で、09年政権奪回時のような「普天間飛行場の国外、県外移設」(公約文言ではないが選挙戦で当時鳩山代表が主張)、「公共事業の見直し」、「高速道路無料化」、「高校授業料無償化」、「事業仕分け」のような結局はほとんどが準備不足、財源不足で実現できなかったが、革新的で主張性のある政策はアベノミクスに振り回された2年間の日ごろの政策不毛のツケが回って打ち出せなかった。

 (6)一強多弱打破を目指して野党結集は間に合わずに(そもそも出来るのか疑問ではあるが)当選目当ての烏合集散で、野党それぞれが似たような経済中心の政策課題を羅列するばかりの支持率同様に存在感、政策特色がなく、虚弱野党の見極め選挙にもなりそうだ。

 福島第一原発事故対策、原発再稼働を含めた将来エネルギー問題、少子高年令化対策を含む年金、社会保障問題、米軍基地問題、TPP交渉問題、財政健全化問題、1票の格差(議員定数、報酬削減)問題、日中韓対立問題と政治が答えを示す課題に真剣に取り組む姿勢こそが政党に問われなければならない。

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勧告拒否。 refusal of admonition

2014-11-23 14:45:22 | 日記
 (1)河村名古屋市長は政治はボランティア(volunteer)が基本だとして、従来1千万円を優に超えていた市長自身の給与を民間サラリー並に年間800万円にした。議会からは政治責任を果たすためには一定の政治活動費が必要で、市長はひとりのためのものではなく給与は自己都合で決めるものではないとして条例改正に反対したが、河村さんは特例措置で断行している。

 議会(議員)の言う政治活動費は国、地方を問わずに使途、管理運用にデタラメ、不適切問題を引き起こしている。
 河村さんの政治理念、信念(strong will)は、税金をもらう側(行政)が税金を払う側(市民)よりも楽をしてはいけないというもので、大都市圏自治体として初めて市民税10%減税を掲げて地方政党「減税日本」を立ち上げての最初の名古屋市議会選挙で躍進して議会第1党を占めた。

 (2)その後多数のにわか仕立ての候補者擁立の弊害から、同党議員の資質、能力が問題となり議会運営や政治資金管理運用でたびたび問題を起こして、辞職、離党が続いて勢力を減退させた。

 市民税10%減税は議会との調整がつかずに理解を得られずに対立をくり返して、わずかに河村さん個人の高い市民支持率を背景にして試行錯誤のうえなんとか5%減税で議会と折り合いをつけて実施した。
 最近の減税効果の検証では5%減税で200億円の効果があったとの結果が出ている。

 (3)市長給与年間800万円の河村市長が市人事委員会の出した職員給与の一律引き上げの勧告(admonition)に反対を表明している。
 長引くデフレ不況から安倍政権になってデフレ脱却に向けたアベノミクスで円安株高効果を生んで、今年4月に消費税8%引き上げに合わせて企業の賃上げにつなげた。

 実体経済は消費税8%引き上げに急激な円安が進んで賃上げを上回る物価高で、GDP2四半期マイナス成長となって来年10月の消費税10%引き上げを18か月先延ばして12月解散総選挙に入っている。

 (4)税金をもらう側(行政)が払う側(市民)よりも楽をしてはいけない河村信念ではあるが、企業は政府の要請もあって一斉賃上げ傾向にある。安倍首相も認めているように中小企業、地方にはアベノミクス効果は浸透せずに、賃上げできる現状にはないところも多いといわれる。

 両極、格差拡大社会の中でなかなかむずかしい判断だが、勧告拒否(refusal of admonition)の河村市長は考えを変えていない(報道)。

 (5)市長の判断で市人事委員会の勧告を無視できるのかの問題で、勧告制度だけを考えれば市長の判断に決定権はまかされるものだが、ことは職員の生活保障にかかわる給与への勧告だけに市長の理念、信念だけで判断決定されるものではない。

 民間企業、市民生活レベルとの比較検討のうえで公平、公正、妥当に判断決定されるべきものだ。
 税金をもらう側(行政)が払う側(市民)より楽をしてはいけない理念だけではない、職員の保障給与が行政サービスの充実、市民権利向上、市民への利益還元につなげる行政機能強化になることが目的だ。
 

 

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政治無関心層が支える安倍政権。 unconcern stratum of politics holds the abe political power

2014-11-22 20:13:45 | 日記
 (1)衆院が解散されて12月2日公示、14日投開票の選挙戦に入る。メディアがさっそく実施した世論調査では安倍内閣の支持率は47.4%で変化なく、政党への投票行動(比例代表)では自民党が25.3%で次いで民主党が9.4%、以下その他の政党という結果で、「まだ決めていない」が44.4%と最多になった。

 これまでは「まだ決めていない」層は無党派層としてその投票行動が政権の行方に影響するとされてきたが、今回の解散総選挙では政権、自民党にも問題はあるが、かといって野党にもその受け皿となる政党が見当たらないという有権者がかなり存在するのではないのか。

 (2)長引くデフレ不況から12年12月に誕生した安倍政権は大胆な金融緩和策、アベノミクスで一気に円安株高現象を招いて、企業業績の自然回復を見せて、今年4月には賃上げにも結び付けて順調な経済、景気回復の道をたどってきた。

 当初から日銀の大胆な金融緩和策の副作用(所得格差、財政再建不安)が指摘されもしたが、それまでの10年以上に及ぶデフレ円高株安不況の反面鏡としての円安株高効果による経済、景気回復感が安倍政権の支持率安定を支えて市場には株高高揚感が支配していた。

 (3)しかし、日銀の物価目標15年までに2%上昇に急激な円安による輸入原料、燃料の高騰による賃上げ効果を上回る物価高を招いて消費動向を冷え込ませ、GDP2四半期連続のマイナス成長という結果を招いた。

 10年以上にも及ぶデフレ円高株安不況から「うわべ」だけでも円安株高回復を見せた経済、金融政策を支持する国民は、政治、政治ダイナミズム(political dynamism)よりは身近な自身の生活範囲、賃金に関心が集まり、安倍政権の重要法案にはことごとく国民の過半数が反対しながら内閣支持率は47%台で安定するという「政治無関心」の現象を引き起こした。

 (4)この間に野党は大胆な金融緩和策の副作用を主張しながらこの2年間有効な対抗政策はまったく打ち出せずにアベノミクスには振り回されるだけで、国民から責任政党として理解されずに虚弱野党として安倍内閣、自民党一強時代をつくり出してきた。

 物価高が賃上げ効果を上回りGDP2四半期マイナス成長の中で、消費動向を控えながらも安倍内閣は支持するという小市民的国民(the petite bourgecisie)の政治無関心層だ。
 
 (5)冒頭の44.4%は従来は支持政党のない、ないしは決まらない無党派層といわれたが、今やそのほとんどは安倍内閣を支える政治無関心層(unconcern stratum holds the abe political power)に変化していると見ることができる。

 民主党が12月2日までの短期間にどういう政策、対抗策を示すのか、どっちみち選挙用のにわか仕立てで2年前の民主党政権の政策自己破滅の後遺症から説得力を持たせるのはむずかしく、弱小野党は選挙当選目当ての自己防衛、烏合集散に走っているようでは情けないことだ。

 (6)これまでの野党の対抗政策不毛政治のツケに追われているのでは国民の判断、選択も行きようがなく、投票率の低さに反映されるのではないのか。
 投票率が下がれば組織票の構成率が高く、冒頭のように投票行動で有利な自民党に有利に働くことになる。

 2大政党制により牽制政治を目指しながら、一強多弱政治をつくり出して議会制民主主義の危機を招いている。
 

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大義のない解散とコツがあるんです。 word awards 2014

2014-11-21 19:37:08 | 日記
 (1)年の瀬を迎えて恒例の14年新語、流行語大賞のノミネート50語が発表された。昨年は「今でしょ!」ほか3語が同時受賞したようにインパクト(impact)の強い言葉が多かったが、今年のノミネート50語を見ると平凡で時事用語のような固有名詞が多く目に付き、政治、経済に翻弄(ほんろう)された1年で言葉としてはインパクトのないものだった。

 むしろ師走を迎えて解散総選挙が行われるこれからがインパクトのある言葉が出てくる期待はある。まさに「師走」選挙となった12月衆院選はアベノミクス効果に反作用が見られ始めて、安倍首相が来年10月の消費税10%引き上げを18か月先延ばしてこれにより国民に信を問うとして、解散総選挙を実施することになった。

 (2)安倍首相は特定秘密保護法の強行採決にも、集団的自衛権の行使容認の閣議決定でも「そのうち」国民に信を問うと言っていたので、ようやくその機会が来た解散総選挙だ。

 ところが与党自民党に大きく支持率で水をあけられた虚弱野党は、これを受けて立つと言いながらの『大義のない解散』(a dissolution hasn't the great moral obligation)として批判する「ピンボケ野党」ぶりだ。
 安倍首相からの、それでは今のまま(連立与党の衆参絶対安定多数政治)でやっていいということなのか(報道)とあげ足をとられてイヤミを言われる始末だ。

 (3)民主党はようやく特定秘密保護法、集団的自衛権容認問題も選挙の争点にすると表明した。それでも内閣、与党自民党の支持率が安定して、野党が軒並みヒト桁台の支持率では勝負になるのかの不安もあるが、むしろ自民党内の勢力争いの方に焦点、興味、関心が集まるようだと、解散総選挙の私物化として政治無関心(unconcern of politics)が加速することになるだけだ。投票率が低くなれば自民党に利するだけだ。

 政治無関心層が今の安倍政権の不思議な(重要法案にことごとく国民の過半数が反対の中で)内閣支持率安定を支えるダイナミズム(dynamism)だ。何しろデタラメな政治資金管理運用問題で引責辞任して説明責任を果たさないままの前経産相も自民党公認で立候補(報道)することが伝えられているのには驚くばかりだ。

 (4)冒頭の流行語大賞にノミネートされていないが、野党の言うピンボケの『大義のない解散』がパラドックス(paradox)としていまのところ今年のワード大賞(word awards)候補だ。
 同ノミネートでは「STAP細胞あります」が入っていた。小保方さんは自身は200回以上も作製に成功している(会見)というSTAP細胞だが、その後自身がかかわる実験検証でもその他研究機関からも一度もSTAP細胞作製成功ニュースは聞かれずに、これまた「ピンボケ」研究だった。

 同会見で言い切った「STAP細胞あります」の言葉の強さはインパクトがあった。むしろノミネートされていないが、この会見での『コツがあるんです』(it's nothing if you once get the knack of it)は確かに世の中にはそういうことはあるので、妙にインパクトはあったからこちらの方がワード大賞に推奨したい。
 ただし、小保方さん、科学的実証分野で「コツがあるんです」は通用しません。

 (5)日銀の結果として株高操作につながる大胆な金融緩和策で賃上げにつなげた「うわべ」だけの経済金融政策はここにきて実体(物価高が賃上げ効果を上回る)が見え始めて、これも「ピンボケ経済」(japanese economics is out of focus)であった。『ピンボケ経済』もワード大賞に入れたいものだ。

 さて、12月総選挙の結果で今年最後のインパクトのある言葉が用意されているのか、興味だけでない日本のこれからが凝縮されているはずだ。

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