いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

米国の台湾防衛。 defensible Formosa of america

2021-10-25 20:36:59 | 日記
 (1)米国の外交戦略が揺れている。アフガンでは混乱の中、関係者の脱出希望者を残したまま米軍を撤退させ国際的な批判を浴びた。バイデン大統領は国家が自国民を守ろうとしない国を米軍が犠牲を払って守ることはしないとして米軍の撤退を正当化してみせた。

 それは一理あるが、オサマ・ビンラディンをかくまったとしてタリバン掃討でアフガンに侵攻して自国都合で米軍を長期滞在させたのが米国で、ビンラディン殺害で目的を達成したら後の混乱は知らないでは国際政治、社会での米国の果たす役割とはいえない。

 (2)中国は共産革命100年を迎えて香港を実質統治する強硬姿勢をみせて、さらに同じく1国2制度の台湾に対して防空識別圏内に大量の戦闘機を侵入させて挑発をくり返している。これに対してバイデン米大統領は二度にわたり米国に台湾防衛義務があると発言して注目されている。

 米国、日本などは台湾問題で「一つの中国」という基本理念があり中国との経済関係強化を維持しているが、中国の軍事力、武力による台湾解放、侵攻には強い警戒感を示して米国は人道上、人権上を配慮して台湾に武器供与は行っているが、これまでは正式外交関係のない「一つの中国」の自由民主主義圏の台湾防衛については明言せずに「あいまい戦略」(報道)をとってきた。

 (3)米国は日本とは日米安保条約(5条)で米軍の日本防衛義務を明記しているのとは異なる。こうした米国の台湾問題に対して、バイデン大統領が二度にわたって米国の台湾防衛義務発言をしたものだから、ホワイトハウスの報道官は記者会見で「(バイデン大統領の発言に対して)政策の変更を発表したわけでも、政策変更を決めたわけでもない」(報道)としてバイデン大統領発言を元に修正してみせた。

 (4)国際政治、秩序に対して大きな力、影響力を持つ米国バイデン大統領の二度にわたる発言をホワイトハウス報道官が「修正」をするというのも米国外交の混乱を示すもので、台湾問題に対しても不安定さ、不確実性を増すものだ。

 台湾を取り巻く中国の軍事的関与が大きくなるにしたがって、日本でも台湾問題は日本の安全保障に重大な問題だとの発言が目につく。

 (5)仮に台湾が中国から解放されて中国軍が常駐することになれば、中国のEEZが広がり日本に急接近して尖閣諸島への中国艦船侵入問題が台湾を挟んで問題化する危険性は考えられて、南シナ、東シナ海で起きていることが台湾海峡でも起きて日本の安全保障上重大な危機を迎える、直面することは十分に考えられる。

 (6)台湾問題は米国、日本は「一つの中国」としての基本理念にあるが、同じ自由民主主義圏として台湾とは人的、経済、文化、社会などで結びつき、関係も深く、日本としてもバイデン大統領の米国の台湾防衛義務発言は他人ごとではない。

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ビートルズとノーベル賞。 the Beatles and Nobel prizes

2021-10-23 20:08:23 | 日記
 (1)ビートルズ音楽が日本に上陸した日からオンタイムでビートルズ音楽に触れて、英国からビートルズ記事、本を取り寄せてビートルズの影響力、進化、変化を見てきたものとして、「ビートルズ」(the Beatles)がノーベル賞の対象にはならないのかと考えた。

 (2)ボブ・ディランがノーベル文学賞を授賞したのだから、「ビートルズ」もノーベル賞の対象になってもおかしくはない。ノーベル平和賞は組織、団体が授賞しているのだから、音楽コミューン(commune)、分野としての「ビートルズ」が授賞してもおかしくはない。

 (3)気の早い話でそれではどの分野のノーベル賞が対象かということになるが、もちろん自然科学系ではなく、文学、平和、経済学ということになるが、ビートルズはわかりやすい言葉で愛、人生、社会、メルヘンを歌ってきたので、文学、平和賞というのは考えられないこともないが、価値はもっと複合的であり、多様性があり、世界のあらゆるもの、音楽以外に政治、経済、文化、社会などに影響力を与えたのだから何十年、何百年に一度の「特別賞」というのはふさわしい。

 (4)ビートルズは斬新なコード進行にP.マッカートニーとJ.レノンの共作を中心にG.ハリソンのバンドメンバーが自ら作詞、作曲した楽曲を自ら演奏し歌うという、それまでの音楽世界の「つくる」側と「演奏する」側と「歌う」側という分担制作業をすべて「ビートルズ」が自ら行うという音楽革命、時代革命をつくりあげて、ビートルズ音楽をビートルズ文化として世界に支持されひろげた影響力、功績は大きい。

 (5)音楽にとどまらずに思想、社会、生き方、働き方、行動、ファッションと多くの分野に独自性、創造性、革命の息吹を吹き込んで「ビートルズ」社会現象ともいわれてきた。ビートルズの手から「ビートルズ」が文化として時代として勝手にひとり歩きして、深く広く歩き出して世界を席巻した。

 (6)ビートルズは10年にも満たない音楽活動でそれが長かったのか、短かったのかはわからないが、コンサート中心の前期、変革、挑戦、革命の中期、スタジオワーク創作中心の後期でビートルズとしてやることをやり終えた感もあり、すでに「ビートルズ」はビートルズの手から離れた存在にもなっての解体現象を迎えた。

 (7)1960年代ビートルズは今も世界人の心に残り、色あせることなく存在していて、それは未来世界に向けても絶えることなく受け継がれていくビートルズ・クラシック(Beatles classic)だ。

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新時代の危機管理。 emergency control of new era

2021-10-22 20:30:09 | 日記
 (1)衆院選が公示された途端に北朝鮮が弾道ミサイルを日本海に向けて発射し、阿蘇山が噴火して火砕流が発生している。19日の北朝鮮の弾道ミサイル発射では、岸田首相が福島で選挙遊説中であり、松野官房長官も選挙応援で東京を離れており、政府の危機管理体制の責任者、司令塔2名がともに不在だった。

 (2)岸田首相は急きょ遊説を打ち切って同日午後に官邸に戻り対応にあたった。野党側は政府の危機管理、意識の欠如の批判を強めている。阿蘇山噴火では松野官房長官が官邸で対応し、岸田首相は兵庫県での選挙遊説を継続してそのまま次の広島県に移動した。

 従来選挙戦中でも首相、官房長官どちらかが官邸にいて有事での危機管理対応にあたる体制が常態化していたが、安倍元政権では選挙応援で安倍首相(当時)、菅官房長官(同)が同時に東京を離れていて野党からの批判を受けていた。

 (3)岸田政権は安倍色の影響力の強い人事構成で出発したが、危機管理体制でも安倍色を踏襲しており、危機管理体制同様に政治管理体制でも国民の不安、不信をさらに強める結果をみせている。

 政府の危機管理体制は情報化時代、社会の中で従来どおり首相、官房長官のどちらかが必ず官邸にいなければ機能しないものなのか、できないものなのかは考えなければならない時代の背景もあるが、今回のように事は北朝鮮の弾道ミサイル発射による技術開発向上を目指す、示すものであり、これまでも日本上空を通過したり日本のEEZ内に落下する事例もあり、日本海に向けた北朝鮮のミサイル発射が日本にとって安全保障上問題となるものだけに重大性があり、政府の危機管理体制の責任者である首相、官房長官のどちらかが官邸で指揮をとることは国、国民の安全保障にとっては必要なあるべき責任体制ではある。

 (4)情報化時代ではIT産業革命を受けてテレワーク、オンラインが活用されて、政治でも国際会議では国家指導者がオンラインで参加することがコロナパンデミックで一般化している。国内の危機管理体制でも首相と官房長官が同時に東京、官邸を離れる時にはそうしたIT情報機能を駆使し、活用する体制が整備されていれば、準備していれば安全保障体制が機能しないことにはならない。

 (5)政府の危機管理体制のあり様について検証、検討することも必要だ。安全保障上の問題は国内体制が国外に見通されることがあっては不安であり、二重、三重での多様な対応を備えなければならない。

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争点と焦点。 the disputed point and the focal point

2021-10-21 20:35:05 | 日記
 (1)菅前首相当時の解散総選挙であれば、コロナ対策、説明責任、安倍・菅継続政権総括といった大きな争点で騒がしい総選挙が考えられたが、岸田首相、政権となっていきなりの解散総選挙では政策そのものが教科書テンコ盛り、ばらまき合戦とあって静かな出足の総選挙だ。

 (2)岸田自民党は経済再生を優先する姿勢をみせて成長と分配の好循環といえば、野党立憲民主党の枝野代表は分配なくして成長なしと主張して、ニワトリが先かタマゴが先かの堂々巡りの論戦で国民にはわかりにくく、選挙争点(disputed point)にはなりにくい。

 気候変動問題が大きな争点と考えられる時代だが、岸田自民党は50年カーボンニュートラル実現のためには原発活用が必要だとの意見が復活しそうな気配で、野党の脱原発か原発路線見直しかは大きな争点になりそうなものだが、岸田首相からは原発路線見直しの発言はみられずに野党も富の再分配、成長論が先行して脱原発論は大きな争点になっていない。

 (3)憲法改正も安倍元首相の強い保守思想に近い自民党高市政調会長責任の公約には盛り込まれているが、岸田首相からは安倍元首相のように任期中に実現するとの強い意気込みは伝わってこずに争点とはなっていない。

 コロナ対策は迷走した菅前首相が退陣して追及相手がいなくなって、ワクチン接種がほぼ行き渡り感染者数が大幅に減少していては経済再生問題に振り替わり、冬の第6波警戒の医療体制整備が主流であり、争点というよりも与野党超えての政治総力をあげての協力支援対策、対応であり選挙の争点とはなりにくい。

 (4)与野党はコロナ社会で疲弊した経済、社会、事業者支援のための何十兆円規模のコロナ支援対策費をそれぞれに表明しているが、大きな予算であり財政健全化、財政圧迫、財政累積赤字解消が政治の重要課題であり、大規模予算化がどういう影響を与えるのか不確実性がつきまとう。

 (5)そこで今回の総選挙を条件付きのイメージ選挙と書いたが、岸田首相、政権はまずは人事面での安倍、麻生色の強い影響力からの脱却、岸田イニシアティブ政治がとれるのか、岸田首相からは総裁選公約からの後退が目につき不安が残り、野党は岸田自民党とよく似た政策提言で違いがわかりにくく革新的な政策提言で野党色を出せるのかが焦点(focal point)だ。

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安定不況から分断。 to division from stable depression

2021-10-20 20:39:11 | 日記
 (1)経済評論家でくくっていいのか、一時代の日本経済の評論、論壇を代表する経済知識人の内橋克人さん(89)が亡くなった。後年は高令化介護社会問題にもかかわった。内橋克人さんの経済論で印象に残っているのは、日本はすでに安定不況時代に入っていて成長は見込めないという趣旨の発言だった。

 (2)10年以上もデフレ不況が続いて不況克服が政治、経済の大きな課題であったが、これからは経済成長時代ではなく不況が定着した社会でどうやってそのパイの中で経済を回し、社会、生活を安定させていくのかが問われる時代だというように理解したが、戦後の高度経済成長時代のくり返しの夢ではなく少子高令化社会の到来を考えての安定不況時代、収入に見合った生活の経済論なのだろう。

 (3)安倍元首相、政権はデフレ脱却を目指して従来のカネの2倍を市場に供給する大胆な金融緩和策で円安株高効果を生んで、大企業、富裕層恩恵の利益をもたらしたが、官邸主導政治で経済活動に政治介入して賃上げ推進に結びつけたが、中小企業、地方、国民生活には効果は及ばずに二極分断社会のへい害をもたらした。

 (4)近代世界は情報化時代、社会、グローバル化の到来によりIT産業革命が起きて、米国ではGAFAといわれるIT巨大企業が世界的な経済利益を独占して、これに中国の経済成長、発展にともない中国の巨大市場を巡る米中貿易戦争を迎えて分断が進み、米国でもバイデン政権は富の再配分、分厚い中間層実現に投資する分断社会解消に乗り出している。

 (5)日本では岸田首相、政権が成長と分配の好循環社会実現を目指して、中間層利益拡大、経済再生に取り組む姿勢を示している。与野党は総選挙公約で成長と分配どちらが先かの政策論争をしているが、成長なくして分配なしなのか、分配なくして成長なしなのか意見がわかれる。

 どちらも経済成長を必要不可欠な経済理論として考えているが、賃上げによる分厚い中間層実現の投資の具体策、あり様、対策はみえてこない。

 (6)岸田首相は新しい資本主義といっているが、近年資本主義は分断社会を生んで後退、危機ともいわれて、比較して中国をはじめとして新興国の経済成長は著しく中国の世界戦略、影響力は米国の脅威ともなっている。

 岸田首相は賃上げ企業への税制優遇策を持ち出しているが、そもそも赤字企業には法人税負担が免除、必要ないなど税制対策はあり、賃上げ税制がどこまで有効なのか専門家からも疑問の指摘があり、経済実体が安定不況から分断に姿を変えて成長と分配の経済再生は容易ではない。

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