いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

統計学と社会性。 statistics and sociality

2021-12-20 20:18:22 | 日記
 (1)統計学専門の大学教員が要請を受けて政府機関、職員に統計の講義をしていると聞いていたので、政府、機関としても国体を表す指標として統計業務が重要だとの認識はあるのだろうが、厚労省に続いて国土交通省の建設工事受注関連統計が勝手に書き換えられて慣習化していた。

 (2)事業者の毎月の調査票提出が遅れて複数月まとめて提出されていたものを合算して最新月に計上、さらに提出されなかった当該月分を推計して、のちに提出された実数値とを合算して当月分として二重計上していたというから、統計のイロハもない大学教員の講義も台無しにするものだ。

 (3)厚労省の統計不正は賃金、雇用保険、労災保険給付の基準、算定統計にかかわるもので、今回の国交省の二重計上はGDP数値にかかわるともに重要統計値だ。国交省の統計二重計上問題は統計数値の不正操作、不正確に国交省のガバナンスという二つの問題だ。

 国交省はオミクロン変異株水際対策でも独断で日本人の新規航空手続きの中止を航空各社に指示して混乱を招き、その後岸田首相が日本人の帰国に配慮することを決定するという1日の二転三転のドタバタの引き金になった。

 (4)安倍元首相は大胆な金融緩和策、アベノミクスによる大企業、富裕層優遇策で経済回復を強調するために有利なデータ、統計を利用してネガティブデータ、統計は無視するという手法を用いて、政策判断、選定に問題となった。

 そういう時代、政治背景があってか、従来は日本企業の正確性、堅実性、安全性がモットーとみられてきたが、近年は日本企業のデータ不正、ねつ造、長年の不資格者による検査が横行していることがわかり、企業コンプライアンスが崩れて、輸出大企業中心にほとんど法令どおり実施している企業はないという市場、消費の信頼、信用、安心を裏切ってきている。

 (5)統計、数値というのは広く社会で起きている事象についてとりまとめて傾向、特徴、志向、方向を探り国民全体の利益に付与するためのものであり、国民の目の前で起きている限定的な事象とは違い必ずしも現実を実感できるものではないだけに、統計数値の操作は自由であり、都合よく書き換えられる恐れは常にある。

 (6)情報化時代でデータ重視で政府も企業もデータ集積、解析、分析に追われる煩雑さはあり、時間に追われてあるいは利益、経済効率性から都合のいいデータ不正、ねつ造が顔を出すが、政府機関、職員は大学教員の統計の重要性の講義にしっかりと耳を傾けてほしい。

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岸田首相の政治力。 political power of premier kishida

2021-12-18 20:47:05 | 日記
 (1)安倍元首相は「モリ・カケ・桜疑惑」、菅前首相は「原稿棒読み・会見拒否」が通り相場だったが、首相就任2か月の岸田首相はさしずめ「朝令暮改の行き当たりばったり内閣」のありがたくない(国民の方がもっとありがたくない)レッテルを貼られそうだ。

 (2)オミクロン変異株対策では外国人の原則入国禁止にあわせて日本人も一律入国禁止措置(航空予約の中止)を発表して、政府は日本人が帰国できない批判を受けて一律入国禁止を取りやめて日本人の航空予約を始めたところ、今度は政府がコロナ対策のため取り決めた1日の入国者の上限をオーバーすることがわかり再度日本人の新規航空予約を中止したが、その日の夜には岸田首相の判断で日本人の帰国に配慮する方針に落ち着くという1日で政府の方針が二転三転するというドタバタだった。

 (3)続いて政府の18才以下の子ども家庭への年内現金5万円給付、来年春クーポン5万円配布はクーポン発行に900億円の余分な経費がかかる指摘に自治体から来年春までのクーポン配布が間に合わない声もあり、岸田首相は方針を変更して年内一括現金10万円給付を認めるとした。

 市場消費効果を狙ったクーポン発行だったが、対象国民からは何にどう使っていいのかわかりにくい使い勝手が悪いとの声も多く、政府のあっけない方針変更の10万円給付だ。

 (4)岸田政権になって初めての本格的国会論争の予算委員会だが、野党からこのてん末を問いただされると岸田首相はこれもあっさりと非を認めてあやまり、野党の指摘に同調するという始末だ。

 これまでの政権、政府は方針に不備、不足があってもブレないことにこだわって野党の追及はつっぱねて押し通すことが多く、野党も厳しく政府の姿勢を質すことで一定の存在感を示してきたが、岸田首相のあっさり非を認めての方針変更には野党も「攻めにくい」(報道)といわれる。

 (5)岸田首相はこれまでの保守思想の強い自公連立政権と違って、新しい資本主義、成長と分配の好循環というリベラル(liberal)色の強い理論、政策を打ち出して野党の理念、政策と共通するところもあり、野党としても国会での対決、論争に追及の決め手を欠く。

 しかし、国家、社会、国民の利益、権利に責任を持つ岸田首相、政権が打ち出した理念、政策を野党、自治体、国民から不満、反発を受けてこれに非を認めあっさりと取り下げ、修正、変更するとなると岸田首相、政府の判断、能力、資質、ガバナンスがどうなのか、これでいいのか不安、不信を招くものであり、野党の「攻めにくい」で済む問題ではない。

 (6)安倍元首相、菅前首相の何があっても曲げない、聞く耳を持たない、数の力で押し通す姿勢も問題だが、岸田首相、政府のすぐにあっさりと同調して方針、政策を変更、修正するという岸田首相の政治力(political power of premier kishida)、ガバナンスは信頼、信任、負託に値しないものだ。岸田首相のガバナンス、リーダーシップが問われる滑り出しだ。

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値上げと賃上げの3月フォルティシモ。 ff. of price raising & higher wages in March

2021-12-17 20:17:10 | 日記
 (1)順調に伸びていた日本の農産物輸出が政府が目標としてきた1兆円を始めて超えた。日本の農業は品質、味、栽培、生産、管理力で高い技術、潜在能力(potential)を持ち国際競争力の高さを備えていたが、政府の農業過保護政策、品質保証による比較価格の高さが問題で競争力に影響してきた。

 (2)国際社会がメタボ解消による健康志向時代から自然栽培食品としての日本食への関心が集まり、TPPなど関税撤廃による自由貿易協定で外国産の低価格の農産物の輸入が増えることの危機感から、日本の若い農業者を中心に農業の潜在能力、IT活用を背景に世界市場に向けて日本の農産物の輸出展開が増加して、世界の健康食品志向と相まって輸出農産物1兆円を超える目標達成となったと考える。

 (3)もうひとつの背景にはコロナパンデミック社会で自宅での食事の機会が増えて、インターネットでの販売、購入が好調(報道)だったことがあげられている。政府はさらに25年に2兆円、30年に5兆円の目標拡大を掲げている。

 一方で国内市場は低価格の輸入外国製品との競争力が待ち受けており、品質、味よりは需要適正価格時代の中で創意工夫が求められることになる。コロナ社会で疲弊した国内経済は原油高、原材料上昇で来年3月以降の食料品、調味料の値上げラッシュが続く。あまり早い値上げ方針発表は市場の品薄(供給調整)、買い占めにつながる。

 (4)世界はオミクロン変異株の感染拡大でコロナ感染者が再び増加傾向にあり、日本は今年後半はワクチン接種が進んでか(原因は不明)感染者もほとんどの自治体で1日ヒト桁台で推移しており、このまま来年は経済回復基調の足掛かりとしたいところだが早々の値上げラッシュ発表で機先を制されたところだ。岸田政権の成長と分配の好循環、賃上げ効果が実現するのか見通しははっきりしない。

 (5)値上げといえばコンサート入場料の変遷も大きい。こちらの方は興味、関心、嗜好、文化のカテゴリー(category)で一律というものではないが、かってはコンサート入場料は3千円位でも高いと感じていたが、あっという間に5千円、7千円と跳ね上がり、1万円台もめずらしくないという格別の上昇率だ。

 こちらの方は誰が、何を、どう、どのくらい提供するのかという価値評価の問題で、極端にいえばいくら高い入場料でも人が集まってくれれば相当な収支が釣り合う設定になるので、興味、関心、嗜好、文化の需要と供給のバランス設定問題だ。

 (6)コンサートも芸術性、音楽性、文化性を高めるというよりは、今日的社会を象徴するように経済性、利益性、収益性効果が優先して入場料の値上げが続く。1966年にビートルズが来日公演した時には、すでにビートルズには利益、資産に興味がなかったといわれて当時としても手ごろな入場料設定だったといわれる。そうして自らの(革命的)音楽、文化、創造世界を提供する精神性が高かったといえる。

 (7)物価というのは費用対効果、市場対効果、経済対効果の原理、原則で決まるものだが、日銀は物価上昇2%達成目標を8年掲げて金融緩和策を続けているがデフレ脱却の実現はほど遠く、欧米はインフレ対策での利上げ方針だ。
 

 

 

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政治の倫理観。 a view of ethics of politics

2021-12-16 20:49:16 | 日記
 (1)森友問題で自死した財務省職員の妻が国(と佐川元理財局長)に損害賠償を求めた訴訟は、実質的審理が始まる前の訴訟事項の整理の協議段階で国側が同職員の自死と決裁文書改ざんの因果関係の責任を認め、賠償責任を受け入れることになり訴訟は終結した。

 (2)報道でも国側が裁判審理で決裁文書改ざんの実態が明らかになる前に先手を打ったとの見方が強い。安倍元政権時代に安倍元首相、夫人が関わったとされる森友問題では、財務省職員が公文書書き換えを指示されてこれを苦に自死したとされ、その経緯をメモした「ファイル」が存在するといわれながら当時政府は存在しないとして否定し、後になって他の政府職員から存在する(見た)ことが指摘されて一転「ファイル」の存在を認めて、遺族側からファイルの公開を求められていた。

 (3)森友問題の損害賠償訴訟は国側が責任、因果関係を認めて終結したが、それなら国、政府は森友公文書書き換えを指示されたとされる元職員の自死との因果関係、事実関係について終結した「裁判」とは別に「政治責任」として自ら認めた事実、実態についてあきらかにする「番」だ。賠償訴訟が終結して森友問題は「終わり」ではない。

 (4)裁判審理では事実関係、実態があきらかになる前に準備協議の段階で国側が責任、因果関係を認めて裁判を終結させたが、その小手先の策略はパラドックス(paradox)として国,政府が自らの手で自らが認めた「責任」について「説明」しなければならない、できることを「実証」したことであり、政治責任、説明責任を自ら負う「手続き」でもあった。

 (5)これはまた当時経緯「ファイル」の存在を否定して、調査は終了したとして問題に距離を置いてきた財務省、麻生前財務相、それを支持した安倍元首相の問題責任を呼び起こさせることでもあり、安倍元首相の辞任にともない森友問題がその後の政権でも過去のものに扱われてきたものに国側が自らの判断責任で「焦点」をあてたことになった。
 上述のように安倍元首相、麻生前財務相の責任は大きく、政治責任を明らかにしなければならない。

 (6)コロナ助成金を国会議員の政治団体が受給していた問題は与野党議員から次々と出てきて、これを正当な権利、手続きだったという認識を示して、ただでさえ政治資金収支報告書の内容実態が不適切、不透明な中で政府の受給調査が十分だったのか、政府のコロナ対策の不手際、遅れから国民、事業者に経済的負担を強いたことを考えるならばコロナ助成金の受け手の政治家、議員として考える方法、責任、道義的立場があった。
 今日的政治の倫理観(a view of ethics of politics)の低さだ。

 

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10万円給付。 benefit of 100 thousand yen

2021-12-14 20:42:01 | 日記
 (1)支援金、給付金というのは政府のものであれ、民間のものであれ目的が大事でそれで対象が決まり、「使い勝手」がいいに越したことはないが想定内に届くなら「使い方」はこだわることの必要度はない。何であれ必要度の高い人に「利益」が届くことが大事だ。

 (2)自公連立与党は公明党が先の衆院選で公約とした18才以下に10万円現金給付について自民党と協議の上、バラマキ批判に懸念を示してまずは5万円現金給付、あとで5万円の目的クーポンを配布する自民党案で合意して政府は補正予算に計上した。

 これに対して現場対応の自治体からはクーポン5万円配布について作成、配布など事務手続きが煩雑で自治体の負担がさらに大きくなり、補正予算成立を待っては政府意向の新年度配布までに間に合わないとの批判、反発が起きている。

 (3)さらにクーポン作成にあたって900億円の経費が余計にかさむことがわかり、野党からも10万円現金給付にして余分な900億円を他に活用した方がいいと国会質疑でも指摘されている。18才以下の子ども家庭でもクーポン利用は何をどう使えばいいのかむずかしい用途限定に戸惑いもあり、評判はよろしくない。

 (4)政府の18才以下子ども10万円給付は目的がわかりづらく、貧困家庭対策なのか就学支援対策なのか、就学支援対策なら18才以下でも就労者はいて19才以上の大学生はどう対応するのか(岸田首相は大学生は補正予算で別途対応するとしている)、貧困家庭支援とすればクーポン配布は目的と合致するのか困惑もみられる。

 (5)まずは目的、必要度が大事で明確にすることが必要で、それに付随して使い勝手が悪いなどは想定内で利益を受けることができるのならガマンしてもいい、できるのではないのかと思う。国家の役割は「人」を育てることだと書いた。「人」を育てるのは教育の充実が必要で、政府は教育環境の拡充に努めなければならないが日本は海外国に比べて教育の投資が低い、少ないといわれて、世界比較大学評価ランキングは下位に低迷して、研究者、知能、知的財産の海外流出が問題となっている。

 (6)「人」への投資で現金、クーポンのパラレルがいいのか、現金給付のみがいいのか、予算は必要な時、使う必要のある理由には使わなければならないのが予算だ。

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