2017年の映画「リメンバー・ミー」(字幕版)を視聴しました。映画館の予告で何度か見かけた記憶。
かつて音楽家代々音楽が禁止されてきたリヴェラ家に生まれながらも、音楽をこよなく愛する少年・ミゲル。彼は先祖が家族に会いに戻ってくる「死者の日」に、曾々祖父が偉大な音楽家であったことを知り、音楽家の夢を家族に打ち明けるも、その夢を叶えるためのギターは「音楽禁止」の掟を守ろうとする家族に壊されてしまう。
それでもミゲルは広場で開かれるコンテストに出場を諦めきれず、霊廟に保管されていたデラクルスのギターを手に取るが、そのギターを弾いた次の瞬間「死者の国」に迷い込んでしまった。
日の出までに先祖の許しを得て戻らなければ、本当に死んでしまう。ミゲルは戻るにあたって音楽禁止の掟を貫かせようとする先祖たちに反発し、音楽家である曾々祖父からの許しを得るべく彼を探し始めるが・・・
・・・まぁ、正直最初は「そういえば予告で何度か見かけたし、折角だから見てみるか」程度だったんですよ、えぇ。期待もそんなにしてなかったんですよ、実は。で、実際に見てどうだったかというと、終盤は感動しっぱなしでしたとさ(笑。
休憩を挟みながらの視聴だったので、その休憩中に物語を振り返り「曾々祖父ってもしかして・・・」という考えには至ったので、そこら辺の真実についてさほど驚きはありませんでした。ただ、デラクルスについては「本当の家族ではないけど、本当の曾々祖父探しに尽力してくれる良い人」ポジションに収まるかと思っていたので、あの展開は意外性がありましたね。
舞台となる死者の国は、その名前のイメージとは裏腹にかなり明るく賑やかなものでした。「死者の日」に祭壇に写真が飾られている者はその日に限り生きている家族に会いに行くことができ、生者の国と同じようにコンサートが開かれたり・・・と、一見みんな楽しく暮らしているものの、その一方では覚えている生者が誰もいなくなった死者が「最後の死」を迎えるという寂しい一面も描かれていました。人が死ぬのは人に忘れられた時・・・というのは「ONE PIECE」のDr.ヒルルクを思い出しますね。
そんな「最後の死」を迎える人物のために、ギターを弾く死者。彼こそがこの物語の鍵を握る人物・ヘクターです。彼もまた祭壇に写真が飾られていないために生者の国にいる家族に会いに行くことも出来ず、そのままでは最後の死を迎える人物でした。そんな彼とミゲルが導かれるように出会ったことから、家族と音楽の物語が始まっていきます。
ミゲルは曾々祖父から許しをもらうため、ヘクターはミゲルが生者の国に戻った際に祭壇に自分の写真を飾ってもらう=自分も生者の国に行けるようにしてもらうため、協力関係を結ぶことに。
当初、ヘクターは「ミゲルにデラクルスの知人だと嘘をつき、彼を騙して自分の写真を祭壇に飾ってもらおうとしている人物」かなと考えていました。が、蓋を開けてみれば前述したギターのシーンでガラッと印象が変わりましたね。優しく、それでいてどこか寂しそうにギターを弾く彼の姿はとても印象に残りました。乗っている人物が一人消えたことで、ハンモックの重心の位置が変わるのが、また何とも物悲しい・・・
物語が進むに連れてヘクターの素性もまた明らかになっていくのですが、分かっていたとはいえグッとくるものがありましたね。タイトルにもある「リメンバー・ミー」は、冒頭ではデラクルスの大ヒット曲として紹介されるのですが、実際はたった一人、とある人物に向けて作られた大切な歌だった・・・というのがまた良い。
同じ歌でも、デラクルスverは「コンサートのフィナーレを飾る歌」としての印象が強く、「今夜のコンサートはこれで終わりだけど、またいつか会いましょう!」といった感じに仕上がっていました。一方オリジナルであるヘクターverは切なくて、それでいてたった一人の大事な人物に向けての愛情に溢れた歌になっていました。
比較すると、デラクルスverはそれはそれで良い歌なのですが、歌の真意を全く理解していない、ただただ富と名声のための歌という印象を受けました。
ミゲルの祖母はミゲルに音楽禁止を徹底させたり、ギターを壊したりといった点では印象が悪く見えてしまいますが、あれも家族から受け継いだものを守ろうとしたり、曾祖母に曾々祖父のことを思い出させて悲しませないように、といった配慮からくるものだったのかなと。しかし、それ故に忘れ去られてしまう歌や思い出、そして人がいる。忘れることで哀しみからは逃れられるかもしれないけれども、一方で楽しかった思い出や共に歌ったこと、数々の手紙や詩に込められた想いまでも消えてしまうのもまた、哀しいことだと思います。
ラストで生者の国に戻ったミゲルが取った行動、そしてある人物が見せた満面の笑みには思わず涙が溢れてきました。物忘れが激しいようにも見えましたが、ちゃんと彼女の心には父親が息づいていたんだなと・・・
物語のラストシーン、遂に再会を果たした家族と、どこか怯えながら、それでいて嬉しそうに歩みを進めるヘクターの姿がとても印象的です。特にヘクターがギターを手に取るシーン!あれ本当に素晴らしいセンスですね!個人的にハンモックと並んで一押しのシーンです。
そんな感じで思っていた以上に楽しく、感動した「リメンバー・ミー」でした。
かつて音楽家代々音楽が禁止されてきたリヴェラ家に生まれながらも、音楽をこよなく愛する少年・ミゲル。彼は先祖が家族に会いに戻ってくる「死者の日」に、曾々祖父が偉大な音楽家であったことを知り、音楽家の夢を家族に打ち明けるも、その夢を叶えるためのギターは「音楽禁止」の掟を守ろうとする家族に壊されてしまう。
それでもミゲルは広場で開かれるコンテストに出場を諦めきれず、霊廟に保管されていたデラクルスのギターを手に取るが、そのギターを弾いた次の瞬間「死者の国」に迷い込んでしまった。
日の出までに先祖の許しを得て戻らなければ、本当に死んでしまう。ミゲルは戻るにあたって音楽禁止の掟を貫かせようとする先祖たちに反発し、音楽家である曾々祖父からの許しを得るべく彼を探し始めるが・・・
・・・まぁ、正直最初は「そういえば予告で何度か見かけたし、折角だから見てみるか」程度だったんですよ、えぇ。期待もそんなにしてなかったんですよ、実は。で、実際に見てどうだったかというと、終盤は感動しっぱなしでしたとさ(笑。
休憩を挟みながらの視聴だったので、その休憩中に物語を振り返り「曾々祖父ってもしかして・・・」という考えには至ったので、そこら辺の真実についてさほど驚きはありませんでした。ただ、デラクルスについては「本当の家族ではないけど、本当の曾々祖父探しに尽力してくれる良い人」ポジションに収まるかと思っていたので、あの展開は意外性がありましたね。
舞台となる死者の国は、その名前のイメージとは裏腹にかなり明るく賑やかなものでした。「死者の日」に祭壇に写真が飾られている者はその日に限り生きている家族に会いに行くことができ、生者の国と同じようにコンサートが開かれたり・・・と、一見みんな楽しく暮らしているものの、その一方では覚えている生者が誰もいなくなった死者が「最後の死」を迎えるという寂しい一面も描かれていました。人が死ぬのは人に忘れられた時・・・というのは「ONE PIECE」のDr.ヒルルクを思い出しますね。
そんな「最後の死」を迎える人物のために、ギターを弾く死者。彼こそがこの物語の鍵を握る人物・ヘクターです。彼もまた祭壇に写真が飾られていないために生者の国にいる家族に会いに行くことも出来ず、そのままでは最後の死を迎える人物でした。そんな彼とミゲルが導かれるように出会ったことから、家族と音楽の物語が始まっていきます。
ミゲルは曾々祖父から許しをもらうため、ヘクターはミゲルが生者の国に戻った際に祭壇に自分の写真を飾ってもらう=自分も生者の国に行けるようにしてもらうため、協力関係を結ぶことに。
当初、ヘクターは「ミゲルにデラクルスの知人だと嘘をつき、彼を騙して自分の写真を祭壇に飾ってもらおうとしている人物」かなと考えていました。が、蓋を開けてみれば前述したギターのシーンでガラッと印象が変わりましたね。優しく、それでいてどこか寂しそうにギターを弾く彼の姿はとても印象に残りました。乗っている人物が一人消えたことで、ハンモックの重心の位置が変わるのが、また何とも物悲しい・・・
物語が進むに連れてヘクターの素性もまた明らかになっていくのですが、分かっていたとはいえグッとくるものがありましたね。タイトルにもある「リメンバー・ミー」は、冒頭ではデラクルスの大ヒット曲として紹介されるのですが、実際はたった一人、とある人物に向けて作られた大切な歌だった・・・というのがまた良い。
同じ歌でも、デラクルスverは「コンサートのフィナーレを飾る歌」としての印象が強く、「今夜のコンサートはこれで終わりだけど、またいつか会いましょう!」といった感じに仕上がっていました。一方オリジナルであるヘクターverは切なくて、それでいてたった一人の大事な人物に向けての愛情に溢れた歌になっていました。
比較すると、デラクルスverはそれはそれで良い歌なのですが、歌の真意を全く理解していない、ただただ富と名声のための歌という印象を受けました。
ミゲルの祖母はミゲルに音楽禁止を徹底させたり、ギターを壊したりといった点では印象が悪く見えてしまいますが、あれも家族から受け継いだものを守ろうとしたり、曾祖母に曾々祖父のことを思い出させて悲しませないように、といった配慮からくるものだったのかなと。しかし、それ故に忘れ去られてしまう歌や思い出、そして人がいる。忘れることで哀しみからは逃れられるかもしれないけれども、一方で楽しかった思い出や共に歌ったこと、数々の手紙や詩に込められた想いまでも消えてしまうのもまた、哀しいことだと思います。
ラストで生者の国に戻ったミゲルが取った行動、そしてある人物が見せた満面の笑みには思わず涙が溢れてきました。物忘れが激しいようにも見えましたが、ちゃんと彼女の心には父親が息づいていたんだなと・・・
物語のラストシーン、遂に再会を果たした家族と、どこか怯えながら、それでいて嬉しそうに歩みを進めるヘクターの姿がとても印象的です。特にヘクターがギターを手に取るシーン!あれ本当に素晴らしいセンスですね!個人的にハンモックと並んで一押しのシーンです。
そんな感じで思っていた以上に楽しく、感動した「リメンバー・ミー」でした。