続きます。
神道は祓い清めの宗教。否、儀式であり生活だと私は考えています。「祓い清め=神道」と言って良い筈です。
神職は大祓詞をあげて祓戸四神の名で祓い清める訳です。そうなれば神道に取って祓戸四神は大変重要な神で有る事が判ります。
イザナギ命が黄泉の国から生還し、阿波岐原で黄泉の国の穢れを祓い清めた。これはイザナギ命でさえも祓い清めの神に縋っている事を意味してます。神道は祓戸四神ありきなのです。これは間違いないと思います。
祓戸四神の中でキーを握るのはやはり気吹戸主です。気吹戸主は伊吹主こと多多美彦命、つまり八岐大蛇と考えられますから。
そして祓戸四神は川の流れで繋がっている。これは祓戸四神は八岐大蛇に関連していると考えられる。そうなると他の祓戸の神も見えて来ます。
八岐大蛇退治物語の登場人物は先ずは八岐大蛇、それを退治したスサノオ尊、スサノオの妻となった奇稲田姫、そしてその親の手名稚命・足名稚命。この神々が祓戸四神のメンバーなのか。
祓戸四神は川の上流から瀬織津姫、速秋津姫、気吹戸主、そして最後に速佐須良姫となります。そして気吹戸主が八岐大蛇である。これはどう言う意味なのか。
速佐須良姫は流離いの女神です。単純に言いますと巡禮もまた祓い清め。旅も祓い清めと言う事です。そうなるとスサノオ尊との関連が浮かびます。スサノオ尊も流離って身を清めたのですから。
スサノオ尊は高天原の畦を壊し、天照大神の宮殿でウンコをし、斑馬の皮を尻から剝ぎ、その皮を稚日女尊に投げつけ自害に追い遣ってます。それを嘆き天照大神は天岩戸に隠れ、世の中は真っ暗闇になった。
その罪を高天原の神々に追求されたスサノオ尊は、髭を抜かれ爪を剝がされて高天原を追放されています。そして流離った。流離って自身で自身の身を祓い清めた。そう考えると「スサノオ尊=速佐須良姫」となるのではないでしょうか。互いに「須」の字が付いていますし。
でもお解りでしょうけど疑問があります。スサノオ尊は男神。速佐須姫は女神。性別が違う。
私は以前から神は性別では別けられない所が有ると考えていますが、速佐須良姫と考えられる女神が存在します。スサノオ命の妻となった奇稲田姫です。
奇稲田姫はスサノオ尊と結婚し、須賀須賀しい気持ちになった地である須賀の宮に住んだのですから、奇稲田姫も「須」の字で表されても不思議じゃないと思います。
それにスサノオ尊は大陸から渡って来た神と考えられます。つまり日本の地主神である国津神ではない。しかし八岐大蛇を初め、奇稲田姫や親の手名稚命・足名稚命は蛇神です。こってこての国津神です。スサノオ尊を祓戸四神に入れていいものか。この点が難しい。
奇稲田姫は流離っていない。でも流離ったスサノオ尊の妻である。たから速佐須良姫だとは言い切れませんが、可能性はゼロではないと思います。かなり苦しいですけど・・・・・・・・。
続く。