そろそろ終わりたいです。続きです。
染殿神社が面している赤沼。この沼は人工的な沼である伝説が残っています。
この地の地質は鉄分が多い。だから土が赤い。故に瓦を製造する土に最適で、多賀城の政庁や寺院の瓦用の土ををここで採取していた。それで土地が窪み沼になった。
ここには瓦焼場と言う地名も残っている。この地で瓦が製造されていたのは間違いない。
瓦は重要な建築資材。だから建築物の神である大戸辺命・太苫辺命が赤沼大明神として伝わっているのだと思われます。
そして瓦焼場と言う地名。瓦を焼いていた。瓦は当然、窯で焼く。だとしたら大戸辺命・太苫辺命は釜神なのではないか。
釜神は大歳神・天知迦流美豆姫との子である奥津彦彦神・奥津比売神。ここで大歳神と繫がってきます。
染殿姫のお産での血の色から赤沼と呼ばれる様になったのだから、大戸辺命・太苫辺命が男の兄弟神と言うのはおかしい。
しかし、釜神、かまど神であるなら国津神の証明である兄妹で夫婦神。しかも奥津比売神の別名は「大辺比売神」。
ここまで繫がると大戸辺命・太苫辺命は釜神である奥津彦神・奥津比売神で間違いないと思われます。
因みに「奥津」の名は「置き火」から来ています。釜を焚くのですから、釜神は火の神でもあります。
更に釜は屋敷に付き物。故に釜神は屋敷の神でもある。つまり庭渡神、鬼渡神。
大歳神の10神の子には塩釜の志波彦神、つまり阿須波神が存在する。そして鬼渡神として一緒に祀られている兄弟神の波比岐神は、「あらはばき神」と考えられる。共に屋敷神。
この10人兄弟の神には庭津日神、庭高津日神が存在する。庭の神となる。
鬼渡神として瀬織津姫が、多くの渡系神社に祀られているのは何度も話して来ましたが、瀬織津姫は波比岐神、そして大歳神の妻神で天の水神でもある天知迦流美豆の性格を有している。
この親子の神々を聖婚で考えると、全てが同神とも考えられます。
ならば火の神である釜神・奥津比売神は水神・瀬織津姫であるのか。
私は釜の行程から釜神は火神であり金属神、そして水神と考えます。そして塩を作るにも釜を用いる。
塩釜神社の祭神・塩土老翁の妻神は塩土老女。共に多賀城の「あらはばき神社」祀られている。
他の「あらはばき神社」には金属神である金山彦神・金山姫神が祀られているケースも多い。
金山彦神・金山姫神の仏号は弁才天。これで瀬織津姫に繫がると思います。
以上、多くの神々を登場させましたが、天の水神・天知迦流美豆姫。
釜神・奥津比売神。
「あらはばき神」である波比岐神、塩土老女、金山姫。
灌漑の神である垂水姫、三島溝咋姫。
上記の姫神は瀬織津姫である。または瀬織津姫名で総称される神々である。そう私は推測します。
そして鬼と関係を持ったとされる実在の人物・染殿姫の名で、瀬織津姫とされる上記の女神らの名を隠した。そう考えております。
長くなりましたが、私が染殿神社に瀬織津姫が祀られているとする説明は以上です。
私的には間違いないと思っております。
ではでは。