令和4年7月5日
参院選岡山選挙区 終盤情勢は
県内有権者対象に世論調査
10日投票の参院選は終盤の攻防が激しさを増している。
山陽新聞社は2~5日の4日間、岡山県内有権者の動向を探る世論調査を行い、独自の取材を加味して情勢を分析した。
現職と新人の計5人が争う岡山選挙区(改選数1)は自民党現職の小野田紀美が優勢を維持し、
無所属新人の黒田晋=立憲民主、国民民主党推薦=が懸命に追う展開。
回答者の39・8%が投票先を決めておらず、流動的な要素を残している。
2016年の改選で自民が当時県内の衆参選挙区で唯一だった非自民議席を奪取。
以後、衆参独占が続いており、自民が死守するかどうかが焦点だ。
これまで自民候補を推薦してきた公明党が自主投票とする一方、野党各党も候補一本化を断念し、新たな枠組みでの戦いとなっている。
小野田は党の強固な組織力と現職の知名度を生かして安定した戦いを展開。
党国会議員が地方議員と連動してバックアップする。
遊説では物価高対策や過疎地振興、防災対策などを幅広く訴える。
地域別、年代別の全ての層で他候補を抑えている。
保守層が多い山間部に加え、岡山、倉敷市などでも優勢。
年代別では20、40代で特に強みを見せる。自民支持層の8割以上を固めた。
公明支持層が黒田に流れているものの、無党派層は4割以上を取り込む。
黒田は4期16年務めた玉野市長としての実績をアピールしつつ、地方創生や公共交通の維持を主張。
故加藤六月元農相の秘書を務めた経歴も生かして保革双方から票の取り込みを目指す。
推薦を受ける立民支持層の6割、国民支持層の8割超をまとめた。
公明支持層も約5割を取り込むが、ターゲットとする自民支持層の切り崩しに苦戦。
50代以上から一定の共感を得る半面、若い世代の支持獲得は厳しい情勢で、県北部での知名度アップも課題だ。
共産党新人の住寄聡美は巻き返しに懸命。
共産支持層の8割近くを固め、改憲反対や消費税減税を訴えて浸透を図るが、広がりを欠いている。
諸派新人の高野由里子、NHK党新人の山本貴平は厳しい戦い。
比例、自民リード37%
終盤情勢の世論調査では、政党支持率や比例代表の投票先、選挙への関心度についても尋ねた。
政党支持、比例投票先はともに自民が約4割を占め、他党を大きく上回っている。
関心度は2019年前回参院選の同時期より高く、7割近くが「関心がある」としている。
政党支持率
首位は自民の43・8%で、前回の同時期調査(44・2%)よりわずかながらダウンしている。
続く立民は7・6%と前回(9・6%)から2・0ポイント減少。
公明と維新がそれぞれ4・5%、共産3・3%、れいわ2・2%、国民と社民が各1・3%となった。
特定の政党を支持しない無党派層は14・9%。前回(19・9%)より5・0ポイント低く、
選挙戦終盤に入って有権者の支持が固まりつつあるようだ。
年代別では全ての年代で自民が3~5割の支持を集め、いずれもトップとなっている。
立民は30代からの支持が多かった。
比例代表
自民が37・9%とリード。
前回(42・9%)より5・0ポイント下がったものの、他党を圧倒している。
次点は7・9%の公明で与党が堅調だ。立民7・6%、維新5・8%と続いている。
以下は共産4・3%、れいわ2・6%、国民2・0%などの順。
公選法上の政党要件を満たす得票率2%を目標に掲げる社民は1・1%にとどまり、厳しい状況だ。
年代別では全年代で自民を選んだ人が最も多く、70歳以上は5割近くを占めた。
公明は50代と60代の1割超、立民は18~29歳の約1割が投票先に選んでいる。
関心度
「大いに」「ある程度」を合わせて「関心がある」が68・1%に上った。
岡山選挙区の投票率が過去最低(45・08%)だった前回の同時期調査(63・6%)より4・5ポイント高くなっており、
国政選挙での投票率の低下傾向に歯止めがかかるか注目される。
年代別で最も高かったのは70歳以上の74・8%で、最低は10代の34・8%。
20~60代はいずれも6割超だった。地域別では倉敷、玉野市などが他の地域に比べて高かった。
調査の方法 県内の有権者を対象に2~5日、コンピューターで無作為に発生させた番号に電話をかけるRDD(ランダム・デジット・ダイヤリング)法で実施。
実際に有権者がいる世帯にかかったのは2370件、うち812人から回答を得た。