令和4年7月8日
岡山選挙区「公明推薦なし」で大激戦!
岸田首相、安倍元首相も同日応援
〝保守の論客〟小野田氏VS学会支援の黒田氏
今回の参院選(10日投開票)で、岡山選挙区(改選定数1)は「全国屈指の注目区」となっている。
全国32ある1人区で唯一、自民党と公明党が選挙協力を行っていないのだ。
若手の保守論客である自民党現職の小野田紀美氏と、
元玉野市長で立憲民主、国民民主両党が推薦する無所属新人、黒田晋氏が、事実上の一騎打ちを展開しており、
岡山創価学会は黒田氏を支援する。
奮闘する小野田氏の応援に7日、岸田文雄首相と安倍晋三元首相が駆け付けた。
「私たち自民党が、自信と誇りを持って公認している小野田紀美さん。
ぜひ、皆さん方に力をいただき、この大激戦、勝ち抜かせていただきたい」
岸田首相は7日午前、JR岡山駅前でこう訴えた。
大激戦のきっかけは、自公両党が1月、参院選の「相互推薦」をめぐってギクシャクしていた時期にさかのぼる。
公明党代表が「相互推薦の見送り検討」を表明したことを受け、小野田氏は次のようにツイートした。
《政党が違うのですから、選挙は他党の推薦ありきでやるのではなく、それぞれ自由にやるのが自然ですよね。
公明党さんの推薦見送り検討、共感します。
お互いそれぞれ頑張りましょう! ってやつですね!》
小野田氏としては、憲法改正に慎重な公明党の姿勢に疑問を感じていたこともあったようだ。
公明・学会側は反発し、選挙戦に突入した。
憲法改正を政治的使命とする安倍氏は7日夜、岡山市民会館で開かれた小野田氏の個人演説会に駆け付け、こう訴えた。
小野田氏(左)の応援に駆けつけた安倍元首相=7日、岡山市(この光景は2度と見ることが出来ない)
「昼間は、岸田首相が応援に駆け付けました。ということは、大変厳しい情勢だということをお伝えしたい。
この一戦、まさに『自民党の名誉』がかかった戦いだろうと思っています」
「小野田さんは国会質問がすごい」「政治家には『闘う政治家』と『闘わない政治家』がいる。
まさに小野田さんは『闘う政治家』です」
聴衆からは大きな拍手が湧いた。
立ち見が多数出る盛況で、参加者から「まるで祭りじゃ!」という声も飛び交った。
マイクを握った小野田氏は、ロシアによるウクライナ侵攻や、前日(6日)が西日本豪雨から4年の節目だったことに触れ、次のように語った。
「『まぁ、大丈夫じゃろう』という思いはほうり捨てて、すぐにやる。万が一に備える思いで国土強靱(きょうじん)化を進めてきました」
「『まぁ、大丈夫じゃろう』はもう聞きたくない。何もないようにするのが大事。
何かあったときに国民を守る準備(=憲法改正や防衛費増額、スパイ防止法の整備)をしなければならない」
その真っすぐな姿勢が支持されたのか、小野田氏のツイッターのフォロワー数は、
初当選した2016年の約2000人から、現在は約21万8000人と、6年で100倍に増加した。
陣営関係者は「SNSで、岡山県の知人に投票を呼び掛けるような応援にもつながっているようだ。
遊説では、若い女性や高校生からも声を掛けられる」という。
これに対し、黒田氏は05年から4期16年間、玉野市長を務めた。
地域生活交通や地域医療の充実、地域産業の振興による地方創生を訴える。
岡山の有権者はどう判断するのか。
【岡山選挙区】 (改選定数1)
高野由里子 46 諸新
住寄 聡美 39 共産
△小野田紀美 39 自現
▲黒田 晋 58 無新
山本 貴平 47 N新
※当落予測の△は「やや優勢」、▲は「やや劣勢」。夕刊フジが、世論調査などから独自判定した。