平成29年8月20日
日本版GPS(全地球測位システム)の構築のため、三菱重工業と宇宙航空研究開発機構(JAXA)は平成29年8月19日午後2時29分、政府の測位衛星みちびき3号機を載せたH2Aロケット35号機を、種子島宇宙センター(鹿児島県)から打ち上げた。
みちびきは予定通り高度420キロで分離され、打ち上げは成功した。
みちびきは米GPSと組み合わせることで、測位誤差を現在の約10メートルから最高で6センチ以下に縮めることができる。
政府は当面、4機体制での運用を計画。
最後の4号機を10月にも打ち上げ、来年度に測位サービスを始める予定だ。
3号機は赤道上空にとどまる静止衛星で、その他は交代で日本上空をカバーする「準天頂衛星」。
現在利用している米GPSなどでは障害物となるビルや山などに影響されず測位できる。
自動車やトラクターの自動運転、ドローン(小型無人機)の物資輸送などへの応用が期待される。
既に田植え機やトラクターにGPSを導入している農家さんもおられます。
平成29年6月1日の準天頂衛星みちびき2号機打ち上げ
http://blog.goo.ne.jp/nobunobu5220141001/e/a3d1dc93283042e22453bb3788aa831d
日本版GPS
位置情報より精密に!
測位衛星(そくいえいせい)の「みちびき」が打ち上げられたけど、どんなもの?
記者
カーナビやスマートフォンなどを使えば、自分の位置を地図上で知ることができますね。
それは上空の衛星が地上に信号を出し、スマホなどがキャッチしているからです。
こうした衛星を「測位衛星」と言います。
6月1日は2号機(内閣府提供)=が打ち上げられました(1号機は2010年打ち上げ)。
Q GPS(全地球測位システム)とどう違うの?
A GPSは米国の衛星を使ったサービスです。日本専用ではないので誤差(ごさ)もあります。
このため今年度内にさらに3、4号機を打ち上げて計4基態勢とし、来年度からGPSと併用したサービスを開始する予定です。
Q 精度(せいど)は上がるの?
A 衛星が増えることで、日本上空をより丁寧にカバーできるため、約10メートルあるGPSの誤差を6センチ以下に縮められます。
23年度には7基まで増やし、「日本版GPS」のサービスを始める計画です。
Q 暮らしはどう変わるの?
A 車の自動運転技術(じどううんてんぎじゅつ)や、小型無人機(ドローン)を使った宅配(たくはい)サービスへの応用のほか、地震・火山活動の検知技術などがより正確になると期待されます。
みちびきの信号を受信するには専用端末が必要で、米アップルのスマホ「iPhone(アイフォーン)7」などが対応しています。
Q 他の国も測位衛星を開発しているの?
A 全世界をカバーするには最低24基の測位衛星が必要とされています。米国、ロシアとも約30基あり、すでに全世界をウオッチしています。
中国、欧州も将来的には約30基の態勢を目指しています。
測位技術は私たちの暮らしに欠かせない技術で、安全保障面(あんぜんほしょうめん)でも役立つため、各国が開発にしのぎを削っています。(科学環境部)
誤差が数センチに縮まる独自の全地球測位システム(GPS)の運用に向け、内閣府は5日、茨城県つくば市の宇宙航空研究開発機構で、新たに開発した測位衛星「みちびき」2号機を報道関係者に公開した。
今年度に4号機まで打ち上げ、2018年度初めに運用を開始する計画だ。
「みちびき」4機は日本から豪州までのエリアをカバー。
3号機を赤道上空の静止衛星とし、残り3機が交代で常に日本上空を飛ぶようにする。
測位の障害となるビルなどの影響が減り、車の自動運転などへの活用が期待される。
従来は米国のシステムを利用し、誤差は約10メートルあった。