ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

サザエさん 長谷川町子

2009-09-29 12:17:00 | 
日曜日のTVはツマラナイ。

今でこそTVはほとんど観ないが、子供の頃は当然にテレビっ子であった。しかし、日曜日の午後は面白い番組は少なかった。競馬だのゴルフだのは、家でゴロゴロしていたい大人の男性にはいいのかもしれないが、子供には退屈そのものだ。

で、夕方になると定番のようにアニメ「さざえさん」が始まる。穏やかな歌声で「お魚咥えたドラネコ、追いかけて~♪・・・」とテーマソングが流れ出すと、子供たちはTVの前に集まったものだ。

ただ、私はあまり好きでなかった。嫌いとは言わないが、積極的に観たいとは思っていなかった。ただ、他に見るべき番組がなかったので、やむを得ず観ていた。

やがて読書に夢中になるようになると、TVは妹たちに任せて、私はベッドで寝転んで本を読むようになった。そんな訳で、国民的アニメと言われた「さざえさん」はあまり観ていない。

では、原作の漫画は?これはほとんどお医者さんの待合室で読んだと思う。医者に行くのが好きだったわけではないのと同様、漫画で読む「さざえさん」も好きではないが、時間潰しに役立った程度の印象しかない。実際、覚えているエピソードがほとんどない。

別に確認をとったわけでもないのだが、あの頃好きな漫画に「さざえさん」を挙げる子供ってどれだけいたのだろう。多分、多くはなかったのではないかと思う。

強いて言えば、家族で安心して観ていられる漫画であることにこそ、意義があったのではないか。家族=安心といった枠にはまった漫画、それが「さざえさん」であったと思う。

実のところ、家族は常に変化する。子供は大きくなり、いつまでも子供のままではいてくれない。夫は地位が上がるにつれ家庭での役割を減じ、妻は家庭での役割に不安と不満を感じざるえない。

それでも家族にとって家庭は安心して帰れる場所であって欲しい。現実とは裏腹な理想を体現した漫画、それが「さざえさん」であった。だからこそ長く続いたのだと思う。
コメント (4)
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