衆議院選挙に思うこと

政治は結果だ。

私にとって政治家の評価は、何を言っていたかではなく、何をしたかによる。だから選挙活動中に何を言おうと、ほとんど関心が持てない。

ただ、今回の与党の敗北は自業自得だと思っていた。大変皮肉なことに、小泉内閣の時の衆議院選挙は明確な改革を言明したがゆえの勝利であった。しかし、あまりに勝ちすぎたがゆえに本音は反・改革であった自民党議員までも増やしてしまい、小泉退陣後に反・改革陣営の逆襲を招いた。

それが安倍内閣の退陣であり、福田内閣の登場であった。どっちつかずの麻生内閣の誕生は与党の内輪喧嘩を国民にみせつけてしまった。だからこその支持率低下であり、当然の衆議院選敗退であると思う。

そして今回与党に躍り出た民主党である。私の縄張りである税制の分野では、既にいくつか廃案にされる予定の税法の話も上がってきている。おそらく改正されると思う。今後は自民党税調ではなく、民主党の税制委員会にも情報収集をしなければならない。

面倒にも思うが、反面隠れ財務省派といわれた小泉内閣以降、あまりに独りよがりな改正税法が頻発されていたので、それを改めるいい機会になって欲しいと願っている。間違っても官僚の言いなりにはなってほしくない。まあ、藤井氏をはじめ元は自民党の族議員もいるので、大きくぶれることはないだろうし、村山内閣の時ほど官僚の操り人形にはならないと期待している。

一方、大いに危惧しているのが教育の分野だ。なにせ民主党は寄り合い所帯。元は社会党系の自虐歴史観の持ち主がうようよしている。彼らは今回の棚ボタの勝利の機会を逃すまい。日教組とともに日本の教育の破壊に精を出すこと請け合いだ。

世の中に通用しない空理空論を子供たちの脳みそに刷り込み、洗脳教育に奔走するであろうことは明白だ。是非とも大いにやって欲しい。今まで隠してきた本音を思いっきり、世の中に曝して欲しい。

天皇に戦争責任を擦り付け、軍を一方的に辱め、シナや半島に媚を売り、アメリカに拗ねて無邪気な平和主義者の本性を露にして欲しい。増長し、つけ上がり、傲慢さを曝け出し、偽善者の正体をあまねく見せ付けて欲しい。

その上で、多くの有権者がそれを支持するのであるならば、それは仕方ないことだ。私は苦渋の思いを噛み締めつつ、少数派の悲哀を味わうことになるが、それが民主主義というものだ。甘受せねばなるまい。

ただ、私の実感ではそうならないと思う。来年には参議院選挙もある。民主党に潜む反日自虐史観の輩の蛮行を見逃してやるほど、日本の有権者は鈍感ではないと信じている。

むしろ怖いのは、反日自虐史観への反動から極右に振れてしまうことだ。その可能性も低くないと思う。日本人は追い詰められると極論にすがりつく習性が強い。

日本人は独特とか、特殊とか偉そうに語って歪んだ優越感を振りかざすことは、反日自虐の歪んだ姿勢とベクトルが反対なだけで本質は同じだ。

日本人なんて世界の民の一部に過ぎず、特に偉いこともないが劣ることもない程度の認識で十分だと私は思う。むしろ中庸に平凡で、謙虚さと誠実さを美点とするべく心がけている普通の民族でいい。どこかのバカのように、いちいち自分たちは世界一などと口に出さず、静かに心のうちで日本人であることを誇れる人間でありたい。

私のぼやきはともかく、この先日本の政治がどのような行動を起すか、注意深く見守っていこうと思います。