ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

護憲への支持に思うこと

2009-09-18 12:25:00 | 社会・政治・一般
護憲派って本当に憲法を守りたいのだろうか。

いかに詭弁を弄しようと、自衛隊の存在は憲法違反だ。国連軍(PKO)への参加は、明らかに憲法9条に違反していると思う。

本気で憲法を守りたいのなら、断固自衛隊と称する軍隊の廃棄を訴えるべきだ。国連の軍事活動への参加を拒否するべきだ。それが憲法を守るということだと思う。

その意味でいえば、日本共産党と社民党の存在は相応の価値がある。少なくとも、この二つの政党は、現行憲法の保持を言明しているからだ。まあ、現実を直視しないが故だとは思う。ちなみに民社も自民も改憲を否定していない。

しかし、有権者の判断は辛辣だ。先の衆議院選挙の結果をみれば明白だと思う。

投票率が69%という高さであり、有権者の意思をかなり忠実に反映した結果だと思う。そして、この二つの護憲政党の獲得投票率は比例代表でみると、共産党が490万人(7、02%)であり、社民党が300万人(4、29%)と合計しても11%足らずなのだ。

護憲派とは、おおよそ有権者(7000万人)10人に一人程度の少数意見であることは明白だ。

しかし、当面憲法改正の動きは鈍いはずだと言わざる得ない。なぜなら、これまでの与党(村山政権を含めて)は自衛隊は合憲だと言い張って誤魔化してきた。国連軍への参加だって野党も含めて認めてきた。

一応、民主党では憲法改正の意思はあるが、積極的とは言いがたい。自民党でさえ及び腰なのが実情だ。理由は簡単だ。どちらの政党もその支持者たちが憲法改正に積極的でないことを感じているからだ。

現行の憲法と、現実の自衛隊の存在に疑問に思いつつも、理想論としての憲法に未練を感じているのか。それとも、敢えて戦後半世紀にわたり平和であった実績を重んじて、現状を変える必要性が逼迫してないと考えているのか。

だいたい、そんなところではないかと私は推測している。私はこれを「事なかれ平和主義」と呼んでいる。敢えて波風立てずに、今の安定を損なうことを浮黶Aなにもしない(現状維持)ことで安堵しているわけだ。

私の周囲の人間も、このタイプが一番多い。敢えて今、憲法改正なんて騒がしいことをやらんでいいよと温和な笑顔でやりすごす人たちだ。友人としては決して悪い連中ではない。大事な友達だと私は思っている。

私は友人を、自分の政治的意見や立場を強化する役割に協力させる気がないので、私もその意味で「事なかれ平和主義者」の一員でもある。矛盾しているとは思うが、憲法よりも円滑な友人関係のほうが大事なので、敢えて波風立てることは避けている。

そして卑怯なことに、誰かが猫に鈴を付けてくれないかと心中密かに願っている。

ずるいよね。

ただ、これだけは言っておきたい。外国からみれば、日本は憲法という国の基本を定めた法律を守らない国である。自国の憲法すら守れぬ国であり、当然に外国との約束だって守るかどうか分らない、信用できないと疑える国でもある。

もっといえば、日本人は憲法なんて無視して行動する国民だ。これが現実であり、いくら政府が自衛隊を合憲だと解釈しようと無駄である。状況が変れば、いとも容易に憲法を踏みにじる国、それが日本。

結果的には、日本国民の大多数は社民党や共産党の主張と同じく、護憲を選択している。むしろ護憲は虚構と知りつつ、長いものに巻かれる選択をしている。この程度の認識はしておきたい。
コメント (8)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする