真直ぐに、前を見つめて生きたいものだ。
思い返してみると、二十代の時はうつむいてばかりいた。かろうじて生き永らえたは良いが、治るあてはなく、ただ食べて薬を飲んで、再び寝るだけの毎日。
青い空を見るのが苦痛だった日々。ただ家に閉じこもり、カーテンを閉ざして臥せて過ごす毎日。自宅療養ってやつが、これほど苦痛だとは思わなかった。
なんで生きているのか分らない。明日も生きているとは分っていたが、明日も寝てばかりなのも分っていた。自分が生きていることの意義が分らない。
あの頃、「頑張れ」と言われるのが嫌でたまらなかった。なにを頑張るのか?原因も分らず、治療法も確定していないがゆえの難病である。頑張る?何を?
大量の薬を飲むことか、それとも寝込んでいることをか?
「頑張れ」と励ましてくれる気持ちは分るが、その具体性のなさが不愉快だった。頑張れとしか言いようがない辛さも分るが、だったらほっといて欲しいと心中密かに毒づいていた。
どうせなら、忘れ去られ、死んだ時に思い出してくれれば十分だと思っていた。生きていることよりも、死ぬことに意義を見出していた。
ただ、具体的に死ぬ方法が見出せず、ダラダラと惰性で生き延びていた日々。そんな時に読んだのが表題の漫画だった。
この漫画は科白がない。この弱肉強食の世界で、親も兄弟もなく、同類の仲間さえいないチビ恐竜のゴン。おそらくは、たった一匹の生き残りであるゴン。
だけどゴンは逞しく生きる。常に前を真直ぐに見つめ、強い相手にも臆することなく堂々足を運ぶ。弱い者いじめには厳しく当たるが、弱くとも必死で生き延びようとする生き物には優しい。
ゴンは生きる。逞しい足で大地を踏みしめ、その瞳は真直ぐに今を見据える。漫画ならではの破天荒なゴンの生き方には呆れるしかないが、読んでいるうちに口元に微笑が浮かぶ。そんな漫画だった。
心も身体も病み衰えた私が素直に笑って楽しむことが出来た漫画、それがゴンでした。海外でもけっこう人気が出た漫画だと聞いたことがあります。短編ばかりなので、軽い気持ちで楽しめます。機会がありましたら、一度お試しあれ。
思い返してみると、二十代の時はうつむいてばかりいた。かろうじて生き永らえたは良いが、治るあてはなく、ただ食べて薬を飲んで、再び寝るだけの毎日。
青い空を見るのが苦痛だった日々。ただ家に閉じこもり、カーテンを閉ざして臥せて過ごす毎日。自宅療養ってやつが、これほど苦痛だとは思わなかった。
なんで生きているのか分らない。明日も生きているとは分っていたが、明日も寝てばかりなのも分っていた。自分が生きていることの意義が分らない。
あの頃、「頑張れ」と言われるのが嫌でたまらなかった。なにを頑張るのか?原因も分らず、治療法も確定していないがゆえの難病である。頑張る?何を?
大量の薬を飲むことか、それとも寝込んでいることをか?
「頑張れ」と励ましてくれる気持ちは分るが、その具体性のなさが不愉快だった。頑張れとしか言いようがない辛さも分るが、だったらほっといて欲しいと心中密かに毒づいていた。
どうせなら、忘れ去られ、死んだ時に思い出してくれれば十分だと思っていた。生きていることよりも、死ぬことに意義を見出していた。
ただ、具体的に死ぬ方法が見出せず、ダラダラと惰性で生き延びていた日々。そんな時に読んだのが表題の漫画だった。
この漫画は科白がない。この弱肉強食の世界で、親も兄弟もなく、同類の仲間さえいないチビ恐竜のゴン。おそらくは、たった一匹の生き残りであるゴン。
だけどゴンは逞しく生きる。常に前を真直ぐに見つめ、強い相手にも臆することなく堂々足を運ぶ。弱い者いじめには厳しく当たるが、弱くとも必死で生き延びようとする生き物には優しい。
ゴンは生きる。逞しい足で大地を踏みしめ、その瞳は真直ぐに今を見据える。漫画ならではの破天荒なゴンの生き方には呆れるしかないが、読んでいるうちに口元に微笑が浮かぶ。そんな漫画だった。
心も身体も病み衰えた私が素直に笑って楽しむことが出来た漫画、それがゴンでした。海外でもけっこう人気が出た漫画だと聞いたことがあります。短編ばかりなので、軽い気持ちで楽しめます。機会がありましたら、一度お試しあれ。