いい仕事がしたいじゃないか。
単に請け負った仕事を、忠実にこなすことは最低限の義務だ。出来るならば、お客さんに喜んでもらえる仕事がしたい。その喜びに驚きと感嘆が加わるような仕事であれば最高だ。
難しいことは分っている。でも、難しいからこそ挑みがいがあろうってもんさ。難しい仕事を、その苦労をみせずに、さらりとこなすのが粋ってもんさね。
そんな職人の心意気こそが、日本の製造業を世界最高水準に高めた原動力だと思う。戦後のQC活動を評価しないわけではないが、やはり江戸時代以前より続く職人の魂こそが、日本の製造業の根幹にあると信じている。
表題の本では、有名なものから無名のものまで、日本の製造業が産み出した世界に通じる超一級の技術を紹介している。ハイテクもあるが、ローテクも多い。一見簡単そうにみえて、実は高度な技術を要するローテクだ。ここにこそ、日本の技術力の底力が現われている。
CMで宣伝されるものでもないし、ノーベル賞を受賞するようなものでもない。しかし、この地味で地道な技術あってこその日本の製造業なのだ。
個人的に意外だったのは、この本の著者がこのような仕事もしていることだ。ご存知の方もいるかもしれないが、この溝口氏は暴力団や裏金融、裏風俗や外国人マフィアなどの取材で知られた人でもある。やくざから嫌がらせを受けての裁判沙汰が新聞紙面を飾ったこともある。
私も経験があるが、職人気質の人たちから情報を引き出すのは案外難しい。本来、口が堅い裏社会の人間からも情報をとれるジャーナリストだけに、口下手で説明が苦手な人が多い職人肌の人たちからも取材が出来たのだろう。
しかも、かなり分りやすく解説しているので、技術分野の素人でも或る程度は理解できると思う。短くまとめられているので読みやすいのも高評価でき。機会がありましたら一読あれ。
単に請け負った仕事を、忠実にこなすことは最低限の義務だ。出来るならば、お客さんに喜んでもらえる仕事がしたい。その喜びに驚きと感嘆が加わるような仕事であれば最高だ。
難しいことは分っている。でも、難しいからこそ挑みがいがあろうってもんさ。難しい仕事を、その苦労をみせずに、さらりとこなすのが粋ってもんさね。
そんな職人の心意気こそが、日本の製造業を世界最高水準に高めた原動力だと思う。戦後のQC活動を評価しないわけではないが、やはり江戸時代以前より続く職人の魂こそが、日本の製造業の根幹にあると信じている。
表題の本では、有名なものから無名のものまで、日本の製造業が産み出した世界に通じる超一級の技術を紹介している。ハイテクもあるが、ローテクも多い。一見簡単そうにみえて、実は高度な技術を要するローテクだ。ここにこそ、日本の技術力の底力が現われている。
CMで宣伝されるものでもないし、ノーベル賞を受賞するようなものでもない。しかし、この地味で地道な技術あってこその日本の製造業なのだ。
個人的に意外だったのは、この本の著者がこのような仕事もしていることだ。ご存知の方もいるかもしれないが、この溝口氏は暴力団や裏金融、裏風俗や外国人マフィアなどの取材で知られた人でもある。やくざから嫌がらせを受けての裁判沙汰が新聞紙面を飾ったこともある。
私も経験があるが、職人気質の人たちから情報を引き出すのは案外難しい。本来、口が堅い裏社会の人間からも情報をとれるジャーナリストだけに、口下手で説明が苦手な人が多い職人肌の人たちからも取材が出来たのだろう。
しかも、かなり分りやすく解説しているので、技術分野の素人でも或る程度は理解できると思う。短くまとめられているので読みやすいのも高評価でき。機会がありましたら一読あれ。