ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

社会保険改悪

2012-04-09 13:14:00 | 経済・金融・税制
お金が欲しいからパートに出るんだよ。

パートやアルバイトに出ている人たちは、将来の年金が不安で働いているのではない。今の生活に必要だから稼がねばならない。だから時間をやりくりしてまでしてパートに出る。

つまり少しでもお金が欲しい。それも今、欲しい。

将来もらえるはずの年金を増やしたくて働きに出るのではない。これがパート労働者の本音だと思う。

この本音を知ってか、知らずか、厚生労働省がパート労働者への社会保険加入の道を広げる法案を出してきた。非正規労働者の増加にともなって、社会保険に加入出来ないパート労働者に将来の年金支給を増額させる機会を与える法案だそうである。

バカも休み休み言って欲しいものだ。

非正規労働者が増えた一つの原因は、社会保険の負担(半分を企業が負担する)が重過ぎるからだ。だから、わざわざ正規従業員を解雇して、その後パートとして再雇用している企業は少なくない。

結果として、社会保険の支払(厚生労働省にとっての税収)が減るのは当然だろう。私に言わせれば自業自得。高すぎるのだよ、日本の社会保険はさ。

もっとも、従業員からパート労働者にされた人のなかには、社会保険への加入を求める要望がないとは言わない。特に年金支給時期がみえてきた中高年には、そのような要望がある人もいるだろう。

だが、大半のパート労働者は社会保険に入って、手取り収入が減ることを望んでなんかいやしない。むしろ嫌がる人のほうが多いのが実情だろう。

その現実を見て見ぬふりして出されたのが、今回の社会保険改正案だ。私に言わせれば改悪案であり、増税案に他ならない。

おかしなことに、民主党内部からでさえ反対が相次いでいる。それでも野田内閣は強行したいらしい。とにかく国家の収入を増やしたい一心なのだろう。

ところで、TVや新聞などの大マスコミ様は、この改正を正しく報じているのか?私のみたところ、政府の機関紙と化しているだけのように見えてならない。

まァ、大手マスコミ様におかれましては、パート労働者なんて、たいして使っていないのだから、彼等の本音が分らないのも当然かもしれませんがね。
コメント
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