ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

かつあげ

2012-04-13 12:18:00 | 日記
ヌマンタ劇場、ムーミンかつあげ編の始まり、始まり~。で、テーマミュージク、スタート。

「ねェムーミン、ちょっと面貸しな。ウジウジしない~で、ガタガタふるえ~ず、ちょっとだけさ

なあ、おい、お前。羽振りがいいってな。ちょっとだけなら~、小遣いくらい~♪

痛いのやだろ~♪、だからねェ~財布出して~・・・」


TVならば、このあたりでスナフキンが登場して、ムーミンを助け出してくれるのだろうが、現実はそうはいかない。校舎の片隅のトイレに押し込まれたムーミンは、親にもらった参考書代を巻き上げられて、悔し涙にくれるのみ。

なんだって、こんな馬鹿な替え歌が登場したかというと、実は春休みの時期って意外に多いんですよ、若者のかつあげが。

この季節、卒業して高校進学か、あるいは進級を控えた時期でもあり、デビューには最適なんです。デビューといっても券\界ではなく、不良(チンピラ)デビューですけどね。

特に中学から高校へ進学する時が、絶好の機会。案外と不良デビューは周囲の目線が気になるので、学校もクラスメイトも大きく変わる時期こそが、最もやりやすい。

私は一度だけ小学生の頃に、かつあげをやられたことがあります。もっとも貧乏な子供だったので、財布の中には5円玉と一円玉だけ。相手が呆れて放免してくれました。

私からすれば、小学生にかつあげするようなヘタレこそ、呆れて物が言えない。ただ、喧嘩になったら負けたであろうことも確かで、逃げるのに失敗した自分も間抜けだと自覚はしていました。

私自身はといえば、結構いろいろ悪さしてますが、弱い者いじめと見られるのが嫌で、かつあげだけは手を出しませんでした。やっぱ、かっこ悪いです。

ただ、大人しくしてると、かつあげをやられる可能性があることは知っていましたから、春先に繁華街をうろつくときは、気をつけていたものです。

だいたい、やる場所は人気が無い場所か、目に付きにくいところと決まっています。十代の頃は年齢不相応に繁華街をうろついていたので、そのあたりの勘所はけっこう自信がありました。

でも、最近は夜遊びをしなくなっていたので、ちょっと勘が鈍っていたのかもしれません。某繁華街の隣町にある古本屋を物色してから、駅まで近道をしようと裏道にはいったら、居ましたね。

髪は茶髪に染めて間もないのか、実に綺麗。ただし、身体つきが貧相で目つきの悪さからしてチンピラ間違いなし。多分十代半ばと思えるオニイチャンが3人ほど、20メートルほど先でこちらをチラチラ見ている。

はは~ん、親父狩りのつもりかな。お!肩を揺すりながら近寄ってくるぞ。

お腹の餡子が重くって走るのは嫌だし、さりとて実戦から遠ざかって久しい。今更、殴り合いするのも面唐セ。で、いきなり携帯を出してダイヤル押した振りして話し出す。

「あ、警察ですか。実は○○通りの△銀行の角を曲がった路地で、若い者に金銭を要求されてます」

オニイチャンたちに聴こえるように、わざと大声で話してみた。見る間でもなく、既に二人は半身で逃げ腰。もう一人も仲間の様子をみて戸惑っている。

「あ、はい、一人は髪が茶髪で、紺色のジャンパーと白いズボン・・・」

目を向けると、三人とも必死で走っている。ほっと一安心。素人で良かった。これが馴れている奴なら、こちらが気がつかないうちに傍に寄ってきて手を押さえてから、金銭を要求してくる。

そうなれば、こんな誤魔化しは通じない。運が良かったとしか言いようがない。

陽気が暖かくなる春先は、けっこう危ないもんです。無雑作に不慣れな裏道に入り込んだ私も間抜けしたけどね。

コメント (11)
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