近年、急速に空き家が増えている。
東京都内で10軒に一軒が空家だと云われている。実際、確定申告や相続の相談などを受けていても、空家が増えていることを実感している。
空き家の有効利用といえば、やはり賃貸なのだが管理が煩雑だ。また古い家屋だと借り手が見つかりにくいのも確かだ。
そこへ建設会社の営業マンがやってきて勧めてきたのが「一括借り上げ家賃保証賃貸アパート」建築だ。建設会社が募集から家賃入金代行、退去時の立会いまでやってくれて、しかも家賃30年保証だという。
古い家を取り壊して貸駐車場も考えたが、これだと相続の際に更地評価となるため節税にならない。だが賃貸用アパートならば、貸家建付地として土地の評価額を引き下げることができて有利だ。
しかも面唐ネアパートの管理も建設会社のほうでやってくれるという。素晴らしいではないか。さっそくローンを銀行に申し込んでみるか・・・
私の下にも上記のような相談があることがある。既に契約を終えて、アパートの建築も終わって賃貸が始まってからの相談が多いので、あまり口を挟まないが内心忸怩たるものがある。
正直言って、私はあまり推奨したくない不動産運用なのだ。
相続対策として未利用の不動産活用としての賃貸住宅の建築には反対しない。もちろん立地条件や資金面などを勘案してあることが前提だが、相続対策のみならず収入を増加させる効果も有益だと思う。
ただ、一括借り上げ方式は、あまり勧めたくない。当然だが、アパートを管理してもらう以上、管理料などの諸経費が天引きされた後の賃貸料が入金される。契約上の管理料は4%から8%ぐらいが多く、それほど高額ではない。
だが、これにはからくりがある。
アパートを管理する会社にとって最大のリスクは、空き室が出てしまうことだ。一括借り上げ契約では、家賃保証タイプが主流であるため、空き室があろうとなかろうと、一定の家賃をオーナーに払わねばならない。
それゆえに、アパートを満室にしておく必要がある。だからその地域の相場よりも安めの家賃を設定することが少なくない。例えば相場が1DKで8万円の地域だと、アパート一括借上げをやっている会社は7万円程度で家賃を設定しておく。
こうしておけば、まず常に満室に近い状態を維持できる。オーナーもアパート管理会社も双方が満足できると思われるかもしれないが、よくよく考えてみれば相場よりも安く賃料を設定している以上、手取り収入は落ちている
仮に相場並みの家賃で試算してみると、結果的にオーナーが天引きされて支払っているアパート管理会社への管理料は20%近い高額なものとなっている。
だから会社勤めなどの本業があって大家さんの仕事が出来ない人以外には、私は絶対に一括借り上げ、家賃保証タイプのアパート経営は勧めない。管理は可能な限り自分で行い、募集や立会いなどは街の不動産屋に委託するほうが手取りの収入は確実に多い。
特にアパートの維持管理に必要な営繕費などは、一括借り上げタイプだと会社の言いなりとなってしまい、あまり安くないのが実情だ。自分で管理すれば、簡単な営繕は自分でやっても出来る。最近はホームセンターなどで、便利な道具も売っているし、簡単な指導もしてくれるので格段に安くなる。
自分で出来ない営繕だって数社に見積もりをとって選んだほうが安い。また大家として入居者と直に接しているほうが、トラブルのときの対応も早い。不安なら不動産屋に立ち会ってもらえばいいだけだ。
これを面唐ノ思う人は、そもそもアパート経営なんてすべきではないとさえ思う。
だから私が一括借り上げ家賃保証タイプのアパート経営を認めるのは、遠方の不動産活用とか自分で管理できない場合に限る。本来、アパート経営ならば、投資額の6~8%ぐらいの利回りを見込むべきなのだ。だが、借り上げ保証タイプだと、表面上は6%あっても上記のように相場よりも家賃自体を安く設定するため、利回りはさらに低くなっているのが実情だ。
しかも、もう一つデメリットがる。それは周辺の家賃相場自体を下げてしまうことだ。一棟安い家賃を設定しているアパートがあると、周辺のアパートもそれに追随してしまうことが見受けられる。結果、安値競争となってしまし、大家さんたちには大打撃となる。
潤うのはアパートを建設した会社と銀行ばかり。少子高齢化が進み、ますます空き家が増えると予測されることを思えば、いくら楽でも一括借り上げ家賃保証タイプのアパート経営は、あまりお薦めできません。
東京都内で10軒に一軒が空家だと云われている。実際、確定申告や相続の相談などを受けていても、空家が増えていることを実感している。
空き家の有効利用といえば、やはり賃貸なのだが管理が煩雑だ。また古い家屋だと借り手が見つかりにくいのも確かだ。
そこへ建設会社の営業マンがやってきて勧めてきたのが「一括借り上げ家賃保証賃貸アパート」建築だ。建設会社が募集から家賃入金代行、退去時の立会いまでやってくれて、しかも家賃30年保証だという。
古い家を取り壊して貸駐車場も考えたが、これだと相続の際に更地評価となるため節税にならない。だが賃貸用アパートならば、貸家建付地として土地の評価額を引き下げることができて有利だ。
しかも面唐ネアパートの管理も建設会社のほうでやってくれるという。素晴らしいではないか。さっそくローンを銀行に申し込んでみるか・・・
私の下にも上記のような相談があることがある。既に契約を終えて、アパートの建築も終わって賃貸が始まってからの相談が多いので、あまり口を挟まないが内心忸怩たるものがある。
正直言って、私はあまり推奨したくない不動産運用なのだ。
相続対策として未利用の不動産活用としての賃貸住宅の建築には反対しない。もちろん立地条件や資金面などを勘案してあることが前提だが、相続対策のみならず収入を増加させる効果も有益だと思う。
ただ、一括借り上げ方式は、あまり勧めたくない。当然だが、アパートを管理してもらう以上、管理料などの諸経費が天引きされた後の賃貸料が入金される。契約上の管理料は4%から8%ぐらいが多く、それほど高額ではない。
だが、これにはからくりがある。
アパートを管理する会社にとって最大のリスクは、空き室が出てしまうことだ。一括借り上げ契約では、家賃保証タイプが主流であるため、空き室があろうとなかろうと、一定の家賃をオーナーに払わねばならない。
それゆえに、アパートを満室にしておく必要がある。だからその地域の相場よりも安めの家賃を設定することが少なくない。例えば相場が1DKで8万円の地域だと、アパート一括借上げをやっている会社は7万円程度で家賃を設定しておく。
こうしておけば、まず常に満室に近い状態を維持できる。オーナーもアパート管理会社も双方が満足できると思われるかもしれないが、よくよく考えてみれば相場よりも安く賃料を設定している以上、手取り収入は落ちている
仮に相場並みの家賃で試算してみると、結果的にオーナーが天引きされて支払っているアパート管理会社への管理料は20%近い高額なものとなっている。
だから会社勤めなどの本業があって大家さんの仕事が出来ない人以外には、私は絶対に一括借り上げ、家賃保証タイプのアパート経営は勧めない。管理は可能な限り自分で行い、募集や立会いなどは街の不動産屋に委託するほうが手取りの収入は確実に多い。
特にアパートの維持管理に必要な営繕費などは、一括借り上げタイプだと会社の言いなりとなってしまい、あまり安くないのが実情だ。自分で管理すれば、簡単な営繕は自分でやっても出来る。最近はホームセンターなどで、便利な道具も売っているし、簡単な指導もしてくれるので格段に安くなる。
自分で出来ない営繕だって数社に見積もりをとって選んだほうが安い。また大家として入居者と直に接しているほうが、トラブルのときの対応も早い。不安なら不動産屋に立ち会ってもらえばいいだけだ。
これを面唐ノ思う人は、そもそもアパート経営なんてすべきではないとさえ思う。
だから私が一括借り上げ家賃保証タイプのアパート経営を認めるのは、遠方の不動産活用とか自分で管理できない場合に限る。本来、アパート経営ならば、投資額の6~8%ぐらいの利回りを見込むべきなのだ。だが、借り上げ保証タイプだと、表面上は6%あっても上記のように相場よりも家賃自体を安く設定するため、利回りはさらに低くなっているのが実情だ。
しかも、もう一つデメリットがる。それは周辺の家賃相場自体を下げてしまうことだ。一棟安い家賃を設定しているアパートがあると、周辺のアパートもそれに追随してしまうことが見受けられる。結果、安値競争となってしまし、大家さんたちには大打撃となる。
潤うのはアパートを建設した会社と銀行ばかり。少子高齢化が進み、ますます空き家が増えると予測されることを思えば、いくら楽でも一括借り上げ家賃保証タイプのアパート経営は、あまりお薦めできません。