ヌマンタの書斎

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弾道ミサイル発射実験騒ぎに思うこと

2012-04-04 12:06:00 | 社会・政治・一般
喧嘩下手。

日本の戦後の外交を一言で言い表せば、この一言に限る。半世紀あまり日本の議会第一党であった自民党でさえ、個々の例外を除いては、全般的に争いごとへの対応は不様といいたくなる。

例外として評価していいのは、吉田内閣の対米外交で、アメリカ製憲法を盾に再軍備を拒否したからこそ、乏しい資源を経済再建に集中できたことぐらいだ。また佐藤内閣における沖縄返還も歴史に残る快挙。世界史を鑑みても、戦争抜きで領土を取り返す例は滅多にない。

だが、ほとんどの場合、日本は戦争や紛争など軍事的危機においては、不様と断じられるのも仕方ないほど、酷い対応で誤魔化してきた。

率直に言って、アメリカの軍事的従属下にある日本に独自の外交路線をとるのは、極めて難しい。むしろ中曽根や小泉のように対米追随を堂々主張したほうが、まだマシなのが実情だと思う。

ちなみに民主党に関しては、口にするのもウンザリするほど反日自虐外交が目立つ。鳩山以来外交で日本がまともであった試しがない。

当然である。国際外交は嘘と脅しと裏切りの世界。脳内理想に囚われた妄想平和主義者なんぞ、笑顔で握手した後、背を向けた瞬間、相手から背中に汚物を擦り付けられるのが関の山だ。

現在、北朝鮮が弾道ミサイルの発射実験をすると宣して以来、撃ち落すの、圧力をかけるのなんのと喧しい。共産シナに協力を仰ぐなどと、進歩のない間抜け振りをさらしている。

はっきり云って、核兵器だけが北朝鮮の生き残りを保証する術である以上、彼等が口先だけの外交なんぞを省みる訳が無い。

また現在の軍事技術では、弾道ミサイルを撃ち落すのは、技術的に非常に困難なのが実情だ。まして、実戦から遠く離れている日本の軍事力では失敗する可能性のほうが遥かに高い。

また大統領選挙で忙しいアメリカに、軍事力を行使する余裕はないことも、北朝鮮は見透かしている。唯一、外交圧力をかけられる共産シナは、鬱陶しくは思っているようだが、本気で圧力をかけるメリットなんぞない以上、やるわきゃない。もちろん、韓国は論外だ。

ただし、唯一日本だけは、圧力をかけることが可能だと私はみている。それは、防衛のために日本が独自の弾道ミサイル及び核兵器の開発計画をぶち上げることだ。

もっとも、これはパンドラの箱であり、事前にアメリカに根回しして諒解を得ておかないと藪蛇になる。実際に予算をつける必要はなく、ただ平和を守るために防衛用のロケットを開発すると発表するだけでいい。

そうすれば、否が応でも共産シナは、日本の軍事大国化を恐れて反発し、開発をやめさせるために北朝鮮に本気で圧力をかける可能性は高い。もちろん、国際社会の一部からは反発を招くが、本来本気の脅しとはそういうものだ。

しかし、これが机上の空論であることは私も分っている。事なかれ主義のお間抜け平和愛好家として飼いならされた日本人に、この程度の脅しでさえ出来るわけがない。どうあっても、民主党政権には不可能であろう。

原発さえ再稼動できぬ核ヒステリーに陥っている日本に、核兵器の搭載可能なミサイル開発計画なんぞ発表できるわけがない。分ってはいるが、核兵器に国益を賭けている北朝鮮の示威活動を止めさすには、こちらも本気にならねば無理だ。

毎度のことではあるが、国際的危機が起こるたび、日本の外交下手が明らかになる。平和な話し合いだけでは解決しない問題がある現実ぐらい、しっかりと認識して欲しいものだ。
コメント (5)
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