お尻の割れ目がはみ出ているのも気にせずに、お尻ふりふりしている男の子を見かけることがある。
ありゃ何の真似かと思っていたら、どうやらクレヨンしんちゃんの真似だそうだ。お下品というか、見ているほうが恥ずかしくなるような振る舞いに頭を抱える親が続出したらしい。
クレヨンしんちゃんの名前だけは、私でも知っていた。ただ、漫画を読む機会はなく、TVアニメも当然に観たことがない。
作者が既に故人であることや、海外でもけっこうな人気があることも知っていたが、肝心の中味はまるで知らなかった。たまたまだが、歯医者さんの待合室で、待ち時間を潰すために手に取ったのが「クレヨンしんちゃん」であった。
へたうま。
私は西原理恵子、しりあがり寿の二名を漫画界二大へたうま、だと思っていたが、どうやら三人目がいたようだ。実際、クレヨンで描き殴ったのかと思えるぐらい、乱雑な絵に呆れたが、それでも面白いのだ。
全巻読んだわけではないが、私としては初期の、つまり週刊漫画アクションに連載されていた当時の作品をお薦めしたい。大人たちの建前に、しんのすけが素直で、とんでもない発言とふるまいで場を荒らす場面がえらく新鮮に思える。
後にファミリー向けを意識して掲載雑誌を変えた頃になると、あやうさやきわどさの毒が薄れているので、大人の私としてはいささか残念。まァ、家族で見る(TVアニメを意識していると思う)には、この中期以降の作品のほうが相応しいのも確かですがね。