動く紙芝居?
ちょっと不思議な映像だった。スタジオ・ジブリの過去の作品に似たような映像技術を使った作品(となりのヤマダくん・・・だっけ?)があったが、それを更に進めた感じであった。
日本の他のアニメとも違うし、もちろんピクサーやディズニーなどのアメリカ資本のアニメ映画とも違う映像技術。ヨーロッパの小作品で似たようなものがあったようにも思うが、これほどの規模(130分ちかい)ではなかった。
こりゃあ、金と時間がかかった大作なのだと思う。
だが、この映画を観ているうちに、この特殊な映像技術はさほど気にならなくなった。いや、気にするべきではない。そのような枝葉末梢に囚われることこそ間違いだと思う。
ただ、単純に物語を楽しめばいい、それで十分だと思う。実際、映画を観た後で同行した子供と、映像技術のことを話したら真面目な顔をして純粋に映画を楽しむべきだと非難された。
実のところ、男の子なので映画を観る前は、ちょっと躊躇っていた。本当はルパン対コナンのアニメ映画を観たかったからだが、時間が合わずに不満たらたらでこちらの「かぐや姫の物語」を観たはず。
でも、映画が始まると夢中になって観ていた。あまり感想らしい感想は口にしなかったが、十二分に満足したようだ。そして私が紙芝居のような特殊な映像技術について話し出すと、そんなことは重要ではないと非難してきた。それだけ面白かったのだろう。
多分、この楽しみ方でいいのだと思う。
細かいことを言うと、シナリオの部分でいささか消化不良の点もある。でも、全体としては虫謨ィ語の映画化として満足のいくものだと思う。無理に劇場で観るほどのものではないかもしれないが、観ても不満はないと思うので、機会がありましたら是非どうぞ。