ヌマンタの書斎

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ルパン3世

2014-09-12 11:58:00 | 映画

期待はしていなかったが、観た後の印象はそう悪いものではない。

漫画がアニメ化されるのは、そう難しいことではない。原作のイメージを損なわぬ作画と、声優の選択を間違わなければ、そう失敗することはない。

しかし、漫画もしくはアニメの実写化となると、そう簡単ではない。これまで原作を超えて実写化に成功した作品はないと断言できるほどである。原作にほぼ忠実と評されれば上出来であるのが現実である。

実は表題の漫画あるいはアニメは私が中学生の頃に、一度実写化している。これは大失敗であった。あまりにチャチ過ぎた。アニメのルパン3世のイメージが強すぎるからでもあるが、なによりアクションシーンに漫画で誇張化された描写が実写化出来なかったのが大きい。

だから、当初ルパン三世の実写化されての映画化が宣伝された時、まず間違いなく失敗だろうと思い込んだほどだ。ところが案に相違して良く出来ていた。まず、実写では不可能と思われたアクションをCG技術の導入により実現していがゆえに、原作とあまり違和感を感じさせない。

おまけに日本の俳優に拘らず、アジアから出演者を募っているので、不思議な活気が感じられる映画であった。主役の小栗旬はこの役どころにかなり入れ込んだようで、ルパン3世の顔づくりを多彩に表現してみせている。これがそれほど違和感なく受け入れられるレベルなのに感心した。

おそらく出演者の多くがアニメのルパン3世を見て育ったのではないか、そして、それを自分が演じてみせることに誇りのようなものを感じているのではないか。そんな印象を受けるほど、出演者の熱意が伝わってくる映像であった。これなら十分楽しめる。

これ、多分続編が作られると思う。マーケットは日本に限らずアジア全域で、最終的には世界を目指すのか?そんな気概が感じられた映画であった。

ただ、一点だけ不満を云えば、この映画、子供が観れるように作られている。だから原作ファンの私には少し不満だ。お色気シーンが物足りないのはまだしも、原作のルパンの持つ暗い側面が薄れている。

これは原作の漫画を読んでいないと分からないし、多分少数派だ。多数派であるアニメのルパン3世で馴染んだ人には、むしろ違和感を抱かせてしまう。だから、これで正解なのだろう。

原作を超えたとは云わない。でも、原作を知っていても楽しめる作品だと思う。想像だけど、小栗を始めとして出演した俳優たちは、事前にルパン3世の実写化なんて無理だと、周囲から云われていたはず。

それを跳ね返してやろうとの気概があったからこそ、これだけの映画になったのではないかと思います。私的には十分合格ですよ。

コメント (6)
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