ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

仏陀の鏡への道 ドン・ウィンズロウ

2014-09-24 12:54:00 | 

滅多にないことだが、私はたまにタイトル買いをしてしまうことがある。

著者も知らないし、書評も知らない。売れていたかどうかさえ知らない。しかし、そのタイトルの奇抜さに惹かれて、古本屋の書棚から思わず手に取ってしまい、勢いで買ってしまう。

間抜けな買い方だと思うが、実はけっこう当りを引くことが多い。ただし、気の抜けた、ありふれたタイトルながら中身は逸品もあるので、タイトル買いはあまりしないように努めている。

ところで表題の書だが、これもタイトル買いの典型であった。タイトルがあまりに奇抜で、それだけで読む気になった。ただ、続編であることもすぐに分かったので、未読の本の山脈に埋めておいた。まずは、一作目を読んでから・・・そう考えたからだ。

早く読みたい気持ちはあったが、まずは一作目と決めたのが不味かった。見つからないのだ。古本屋を何件も回ったが、なぜか見つからない。しかも悩ましいことに、その間に著者ドン・ウィンズロウの評価は高まるばかりであり、次々と他の作品が発表される始末である。

おかげで、三作目、四作目も入手してしまった。しかし肝心要の一作目が見つからない。こうなると意地っ張りの私は、むきになって古本屋巡りに精を出す。ネットで検索すれば、新作も中古も入手可能なのは分かっていたが、意地でも古本屋で見つけたい。

私の執念は二年越しで実を結び、この夏にようやく入手した。この満足感はなにものにも代えがたい。で、間抜けな私は、読むのを先日まで忘れていた。たまたま部屋の聡怩オていたら、未読山脈の陰に放置してあったのを発見した次第である。

で、ようやく読みだしたわけだが、前作「ストリート・キッズ」を上回る激しい展開と、奇抜なストーリーに満腹である。なかなか古本屋に出回らないのも納得の秀作。

唯一の難点は、続いて読みたいと思っている三作目が、またしても未読山脈のどこかで遭難していることだ。どこに行ったのだ?どうも、私は探偵には成れそうもないのは、確かなようですがね。

コメント (6)
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