犬が男気を語り、熱く友情を語り、拳ならぬ牙で正義を貫く。
断じてギャグ漫画ではない。
秋田犬というよりもマタギ犬である父リキの仇でもある巨大なクマ赤目を倒すため、銀は日本各地を巡り男気がある犬たちを集め、奥羽山中に君臨するクマに戦いを挑む。
私の記憶では、マタギの父と息子の飼い犬である銀は、当初マタギ犬として活躍していたはずなのだが、いつのまにやら主客転倒て、人間様はわき役に転落し、犬たちが主役の熱血格闘漫画になってしまった怪作でもある。
まァ、作者の高橋よしひろは、あの本宮ひろしの下でアシスタントをしていただけに、この漫画がワンコ一匹ガキ大将になってしまったのかと勘繰ったぐらいである。
おそらく読んだことがない人にとっては、カルト漫画ではないかと思うだろうが、この漫画は大変な人気があり、続編が掲載雑誌を変えて数多く連載されている。それどころか世界的にも人気がある。どうも犬好きという奴は、日本だけでなくいたるところにいるらしく、犬が主役の漫画は他に類例がないため、異例な人気を得ているのではないかと思う。
ちなみに続編というか、スピンアウトした作品のなかには、犬が兜をかぶり馬に乗るものもある。忍者のように闇を駆ける犬までいる。もう、どうにでもなれの気分である。
犬が好きで、喧嘩が好きで、男気が好きなら是非どうぞ、といった作品である。やっぱりカルト漫画だよなァ・・・