ヌマンタの書斎

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ドブ板を渡れ

2014-09-25 14:43:00 | 社会・政治・一般

最近の政局をみていると、野党再編の動きが目立つ。

だが、所詮は話題作りに過ぎない。維新の党を始めとして、新しい野党が湧きあがったのは、あの民主党政権という憲政史に残るダメ政権があったからこそだ。

つまりアンチ民主という土壌があったからこそ咲いたアダ花に過ぎない。自民党公明党連立政権が生まれれば、当然にその存在意義をなくす。だから、彼ら野党が如何に再編されようと、政治を動かす風とはなり得ない。

しかし、だからといって自公政権が安泰な訳でもない。如何にアベノミクスの成果を高々と語ろうと、その効果は株価と不動産売買において目立つだけで、国民全体からみると、さして好況感がないのが実態だろう。

もちろん、それであったとしても民主党政権時代とは雲泥の違いである。それは私も認める。しかし、実質賃金の手取り額はさして増えていない。大企業と公務員においては、多少の増額があるのは事実だが、過半を占める中小の民間企業や個人事業者の懐は寒いままである。

なにせ消費税は上がるは、社会保険は上がるはで、多少の賃金増なんざ、あっという間に消えてしまう。おまけに来年には消費税10%が待っている。当然のように消費を手控え、貯蓄に回す。いや、貯蓄は切り崩す一方で、そのペースが多少落ちた程度の景気回復が実態である。

既に財務省は、素直に言うことを聞く谷垣を自民党の要のポジションに配置することで、消費税の増税を断固として進めるつもりである。霞が関の御用聞きと化した大手マスコミ様は、財務省から渡された資料を国民に分かりやすく説明するぐらいしか能がない。

誤解しないで欲しいが、私は消費税増税には賛成である。従来の儲けに対する課税方法(法人税、所得税)では捕捉でききれぬ経済活動が増えている以上、流通段階での大型間接税は必然の流れだと理解している。

私が納得いかないのは、消費税増税の一方で、法人税減税がされていることである。減税するなら、所得税、住民税だと思う。消費税増税は確実に消費者の財布を直撃する以上、その対応として消費者の所得への課税を減じるべきだ。

ところが政府は、法人税の減税で誤魔化している。それどころか、東北大震災復興のための復興特別税を法人のみ廃止して、個人への復興特別税は残り23年続けるつもりである。

このおかしな状況に対して、日ごろ反日自虐報道を繰り返す大手マスコミ様は沈黙を守っている。弱きものの味方であることを矜持としているはずの大手マスコミ様は、大企業減税、庶民増税には知らん顔である。

政権与党である自民党は、この歪んだ状況を理解しているのだろうか。地方再生はけっこうだが、まず自分の足元をその目で見て、その耳で聞いてまわるべきではないか。

私はこの状況が続けば、政治に期待しなくなった有権者が自暴自棄的な投票行動を起こすのではないかと危惧している。出来もしない、やり方も分からないが、有権者に耳触りがいい玉虫色の政策だけを口に出す泡沫政治家を当選させてしまうのではないか。その結果、再び民主党政権並みの愚かな政治が行われるのではないか。

これは私の選挙区において既に起こっている。幸い区長選挙だったが、造反有理(反対することに意義がある)しか能がない保坂という左寄りの泡沫政治家が、まさかまさかの当選であった。

世田谷区には原発はなく、反原発の政策なんざ採れる訳がなく、本来区政でやるべき政策が滞っているのが現状である。あまりに馬鹿らしく、私としては脱力するしかない。

これは本命である自民党が、区と都で対立したためにできた空隙を縫って、反原発、それだけを口にした保坂に投票した間抜けな有権者が多数いたことから起きた珍事であった。本来なら保守的な地盤であり、自民党で鉄板のはずが、中央と地方の対立という有権者無視の政争にとりつかれた自民党候補に嫌気がさしたからこそ起きた現象でもある。

はっきり言うが、アベノミクスは一部の資産家(株持ちか、土地持ち)にしか効き目がない。一般庶民には無関係の経済政策である。一部で加熱しているだけの好況なんざ、みせかけに過ぎない。

今こそ政治家は、かつて行われたようにどぶ板を自らの足で渡って、有権者の本音に耳を傾けるべきだ。役所がつくったお仕着せの統計数値は捨て、役所の広報誌と化した新聞は読まず、ろくに取材もしないTVは置き捨てて、直に市井の声を拾うことをするべきだと思う。

コメント (3)
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