ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

二人の党首

2016-08-04 12:31:00 | 社会・政治・一般

やはり官僚育ちだと思わざるを得ない。

先週末、都知事選挙も大詰めの最中、民進党の岡田党首が、次期党首には立たないとの報道をラジオで耳にした。当然ながら、まだ都知事選挙の投票前である。おそらく鳥越候補の敗退が読めていたのだろう。

その責任をとっての民進党党首辞任は嫌だったのだろう。さすがは保身に長けた官僚出身者だと思う。多分、相当にプライドの高い人だと思っていたし、鳥越候補を担ぐのも、内心嫌だったのだろうと想像できる。

だから、そんな鳥越候補の敗戦の責任を取っての退任なんて、我慢できないことであったのだと思う。派手好きな鳥越氏と、地道に堅実な岡田氏では、水と油の関係なのは、私でも分かる。

それでも敢えて言わしてもらえば、この人は根っからの官僚だと思う。とにかく責任をとるのが嫌なのだろう。これが親分肌の政治家ならば、たとえ負け戦でも、最後まで戦う姿勢を見せて、敗戦は自分の責任だと全ての咎を背負って辞める。

そんな親分ならば、子分たちは付いていく。たとえ負けても鳥越氏は、岡田氏を責めるような発言はしなかったろう。むしろ、次の岡田氏の登板の機会があれば、積極的に応援したのではないかと思う。

一方、党人政治家としての凄味をみせたのが自民党の安倍党首であろう。管官房長官を選挙の応援に行かせる一方で、自分は距離を置いて、冷静に政局を見詰める。小池ゆりこの独断的立候補を誹謗する石原や、森らとは一線を画して、安全地帯に堂々と身を置いておく。

小池であろうと、増田であろうと、自民党としては、どちらでも有利であると見越しての態度。おそらく青天の霹靂であった小池新知事の誕生に蒼くなっている石原親子や、森などオリンピック利権に食い込んでいた連中を、どう処理するかを考えているのではないかと思う。

それにしても、今回の投票は不思議な結果となった。小池ゆりこがどの政党でも、まんべんなく支持を受けているのである。自民のみならず、民進、公明、共産党にまで食い込んでいる。

各党は、この事実を冷静に認識するべきだ。一般党員の支持を得られぬ候補をいくら取り上げても、党一体での応援なんて絵空事に過ぎない。今回、冷静に距離をとって漁夫の利を得た安倍首相だが、改憲の前にするべきことがある現実を、どれだけ認識しているのか、私はいささか疑問である。

あまり、いい気になって欲しくない。アベノミクスは限定的であり、まだまだ日本は不況から脱していない現実を直視して欲しいものである。

コメント (2)
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