ヌマンタの書斎

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対艦ミサイル発射実験

2017-06-13 12:37:00 | 社会・政治・一般

案外、バカにできないと見直している。

最近、やたらと弾道ミサイルやらロケットやらを打ち上げる北の金王朝だが、好き嫌いは別にしても、もう少し評価してもいいように思ってきている。

あの国の最大の弱点は、農業生産力の低さである。耕地面積は十分あるが、慢性的に飢饉が多く、餓死者が頻繁に出る世界最貧国の一つである。

その原因は、主体農法という現場の知識がない金日成と、正日の押し付けた愚かな農業指導にある。適正以上に作物を植えて収穫量を増やそうとして、結果的に過密となり、貧弱な稲しか育たずに、かえって収穫量を減らす馬鹿な指導を無理やり普及させた。

それが間違いだと分かったのにも、上からの指示がないために、その馬鹿げた農法を延々と続けてきた。ところが、三代目の刈り上げデブ君は、その主体農法を、あっさりと止めてしまい、元に戻した。また、高額な化学肥料を止めて、人糞による有機農法に戻した。

おかげで、ここ数年収穫量は増加の傾向を見せている。これは立派な成果だと思う。もっとも、国内の流通機能は、まだまだ不完全なので、食料が十分出回ってはいないが、ここ一二年は餓死者の話は出ていない。

実は5月末からしばらくは、農業戦とかいって、農民だけでなく、都市住民、役人、軍人までが狩りだされての、田植えなどの耕作イベントが始まっている。このおかげで、北は軍隊だけでなく、お役所までもが機能不全に陥る。

しかし、その食料生産の重要な時期であるにも関わらず、ミサイル発射実験を行っている。それだけ余力が出てきたのだろう。数年前までは、この時期での軍事イベントは考えられなかった。

こうなると、この刈り上げデブ君、なかなかやるではないかと見直したくなる。

ただ、今回発射した対艦ミサイルは、旧ソ連のKh35で、1983年代に輸出用にも使えるものとして開発したものだ。既にベトナムや台湾など多くの国が採用しているし、その性能も分かっている。

基本性能は40年近く昔であるが、今でも十分実用的な武器ではある。ただし、問題は攻撃目標である敵艦船を如何に捕捉するかだ。基本アクティブ方式のレーダー搭載であるが、40年前の電子装置が基本となっている。

当然だが、現在は新しいバージョンに替わっているはずだ。しかし、北朝鮮にその技術があるとは思えない。まァ、実際のところは、日本周辺に配置されたアメリカ空母艦群が怖くて、それを威圧するためのミサイル発射実験であろう。

当然だが、アメリカ海軍はこの手の対艦ミサイルについては、十二分に対応策を練ってきている。もっとも、北朝鮮の索敵技術では、空母の位置を把握するのも難しいはずで、それは命中する、しない以前の問題でもある。この点を報道しないマスコミは軍事音痴だと思う。

広い海のなかを常に航行して位置を変える空母を目標にするのは、その位置を偵察機、偵察衛星などで把握する必要がある。そして北には、それがない。

でも、軍事知識の乏しいどこかの脳内お花畑で平和を夢見るお間抜けどもなら、十分威圧できるのだろう。

北の刈り上げデブ君、案外と侮れないと思うな。

コメント
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