ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

サヨナラホームラン

2017-06-21 12:47:00 | スポーツ

名は体を表すという。

巨人軍の亀井選手は、まさに亀なのだろうか。決して鈍い訳でもなく、鈍足どころか俊足の選手である。また強肩を誇る一方、ホームランバッターとしては、いささか物足りない。

だから、少なくてもスーパースターではない。巨人軍に在籍を続けてきたが、常に一軍であった訳でもない。スランプに陥った時期もある。得意な打撃も、何度となくスタイルを変えている。

少年野球のスーパースターではあったが、正直プロとしては一軍半の印象が拭えない。2009年を除けば、大活躍したこともない。それでもプロとして10年以上頑張った。その歩みは遅々たるものだが、私は忘れられない選手だと考えている。

なぜか印象的な場面がまわってくる幸運な選手でもある。

先週末の試合が、まさにそれだった。幸運と書いたが、本人は針のむしろであり、胃に穴が開くほどのストレスを感じていたはずだ。実際、試合後のお立ち台で涙ながらに「心が折れた・・・」との言に嘘はあるまい。

試合中、三度絶好の場面が巡ってきた。それも前を打つ4番のマギー選手が敬遠され、対戦相手のロッテは亀井との対決を選んだ。要するに舐められたのである。しかも、巨人にとっては逆転の絶好の機会。相手にとっては、守り切れば勝利まであと一歩である。

その場面を三度も、しかも、三回とも敗退である!

そして、運命の女神はなんと残酷なことか。試合は延長であり、ロッテ一点先行で、この場面を守り切れば試合終了の、まさに土壇場であった。呆れたことに、巨人の高橋監督は、マギー敬遠の後、選手交代を告げなかった。

三度も失敗した亀井を、再度バッターボックスへ送り込んだのだ。

この時の観客の声援が興味深かった。「亀井~、頑張れ!」と「交替させろ」とのファンの応援と罵声が交互に球場に鳴り響いた。車を運転しながらTVを聴いていた私は、我慢できずにSAに飛び込み、駐車スペースでじっくりTV観戦である。

私はダメだと思ったよ。でも、亀井選手、やりました。逆転スリーランを打った。

筋書きのないドラマと知りつつも、唖然茫然となりましたね。ホームを一周している途中から、亀井選手が泣いているのが分かった。笑顔で迎える高橋監督の前にたどり着く前に号泣してましたね。

お立ち台でのインタビューを観終えてから、私は車を動かしました。ちょっと時間浪費というか、帰宅が遅れましたが、それだけの価値ある場面を観ることが出来たことに満足です。

コメント
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