ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

地図が売れない

2017-06-15 12:03:00 | 社会・政治・一般

現在、紙の地図の売り上げは最盛期の二十分の一だと報じられていた。

情報が紙媒体から、デジタル表示へと移行いつつある流れにそったものだとは思う。それは分かるが、なんとなく哀しい気持ちになる。

実のところ、私もロードマップなどは買わなくなって久しい。カーナビが地図を表示してくれるので、一冊2000円近くする地図帳を買わなくても、最新の地図がカーナビに表示される。しかも、現在位置を示すだけでなく、目的地検索など様々な機能があるカーナビがあるので、ロードマップを買う必要がなくなった。

だからといって紙の地図に価値がないとは思わない。現在、山登りをする人たちの間では、GPS機能を駆使したマッピング機能付のスマートフォンを携行することが、当たり前になっているようだ。たしかに便利だと思う。

でも、私は少し不安に思う。スマモにせよ、他の携帯型端末にせよ基本は電子機器だ。雨や埃、泥には弱い。基本的に野外では不向きであり、故障の危険性は常にある。また、場所によってはネットにつながらない可能性もある。

やはり紙の地図があったほうが良くないかと思う。

私が山に登っている時は、国土地理院発行の五万図と二万五千図は必携であった。ある畳み方をして、ビニールに入れて常に携帯していた。書店などで売られている防水紙を使ったカラフルな地図だと、標高差などが十分に表示されていないので、読図には物足りない。

ただ、ある程度訓練が必要となる。コンパスも必要だし、地形を読むことなど技術的なこともあるが、実はなにより大切なのは体力。疲労困憊な状態で、地図を読むのは至難の業だ。いくら知識があっても、それを活かす体力がないとどうしようもない。

そのため、今のGPS機能でデジタル表示してくれるマップが、如何に便利な代物なのか、よく分かる。もし山に登れるようになったら、私もきっと使うと思う。それでも、一応紙の地図も持参しますけどね。

でもデジタル媒体の便利さは良く分かる。だから、紙の地図が売上低迷だとの報道も無理ない。でも、地図の魅力って、それだけじゃないよ。

20代の時、難病で床に伏していた頃は、地図は愛読書の一つであった。地図をなぞりながら、私は脳裏に空想の旅行を楽しんでいた。地図は情報の宝庫だ。その紙面から、いくらでも想像の旅が出来た。

実は今でも枕もとには、地図帳が数冊、手の届くところに置いてある。眠れぬ夜なんぞに、灯りをつけて地図帳を眺めて楽しんでいる。どの道を歩こうか、この橋を渡れば、眺めは良くないだろうか?と、好き勝手想像の旅を楽しいでいる。

地図が売れなくなったのは時代の趨勢として仕方ないと思うが、やっぱり寂しいなァ。

コメント (2)
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