今週末は東京都議会議員選挙である。
いつもなら迷わないのだが、今回は少々迷っている。マスコミの報道は、与党自民党都議団と、小池都知事率いる都民ファーストの会の対決に焦点が合わされているように思う。
目先のことに追われるのは、マスコミの常だが、そんな軽薄な報道でいいのかと苛立ちを禁じ得ない。
元々、東京湾の埋め立て再開発計画は、都庁の悲願であった。高度成長期、夢の島と呼ばれたゴミの埋め立て地を、如何に再開発するかは東京都に課せられた使命であった。
当初は、税収が見込まれる高度商業地区を目指していたようだが、如何せん元ゴミ処分場だけに、イメージは悪くて、この新湾岸再開発計画はとん挫した。それでも諦めきれず、都市博の開催を目指したり(青島が潰しましたね)、いろいろと試行錯誤を繰り返した。
築地市場の豊洲への移転も、この東京都の新湾岸再生計画の一環であった。これは鈴木都政以前からの東京都の悲願であった。そのせいだろう、この湾岸再開発計画には、正体不明の様々な団体が関わっている。
事情から名称は出せないが、東京都の関連団体として、○○研究会とか、□□公益法人などがあり、当然ながら都庁の退職者、出向者で溢れている。そして、この利権に食いついたのが、東京都議会の議員様たちである。
やたら、内田都議が有名になってしまったが、彼一人で出来る訳もなく、多くの自民党都議、野党都議が食いついている。この魑魅魍魎の輩を「都政の闇」と呼ぶ。この利権に歯向うものは、議員であろうが、都庁の役人であろうと闇に葬られた。
当然であろう、数千億の税金が投じられた湾岸再開発計画である。邪魔するものは消す! それが、これまでの都政であった。
この湾岸再開発計画に待ったをかけたのが、小池新東京都知事である。
豊洲への移転を遅らせただけでなく、築地の再開発にまで手を伸ばしてきたのだ。絶対に許せる訳がない。
曰く「徒に豊洲移転を遅らせただけ」 「豊洲と築地の両面開発なんて、採算が合う訳ない」 「小池劇場は終わった」
マスコミ人脈を駆使して、小池側のイメージダウンを狙っている。そして、過去の都政の闇を穿り返されないよう、過去を頬被りして、済ませようと必死である。
そのためには、小池の勢力を都政から追いやらねばならぬ。この都議会選挙は、現実路線の自民党と、根拠なき妄想で都政を混乱させる小池陣営の戦いだと、都民にアピールしなくてはならない。
豊洲だけでなく、築地の再開発利権まで奪われてたまるか。絶対に選挙には勝たねばならぬ。そう考えている人たちがいるはずだと、私は邪推しております。
私の偏見だといいのですが、マスコミの安っぽい論調をみていると、どうも不安になります。
なお、私自身は湾岸再開発には賛成であり、21世紀の東京都の看板とも成り得る立派な再開発をして欲しいと切望しています。ただ、だからといって、過去の悪業を知らん顔するのには否定的ですけどね。