ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

隠された日報

2018-04-13 16:38:00 | 社会・政治・一般

ないとされていた日報が見つかり、マスコミが煽動して国会で騒動になっている。

防衛省側でいろいろ言訳しているけど、あるのを知っていて隠したのであろう。だから非難されても致し方ないと思うのが普通みたいだけど、私はかなり隠した防衛省の役人に同情気味。

もともと、この問題の背景にあるのは国連のPKO活動に自衛隊を参加させる際に、バカな国会議員どもが戦闘に巻き込まれる地域でもPKO部隊を参加させるなとおかしな制約を加えたことだ。

当初から私はおかしいと思っていた。そもそもPKO活動に軍隊を派遣するのは、その地域が政情不安で治安の悪い場所だからだ。軍隊でなければ対応できないほど治安の悪い地域で平和維持活動である。当然に戦闘に巻き込まれることも想定されるはず。

それを脳内お花畑のおバカ議員が、日本が戦争に巻き込まれるなどと騒ぎ出し、日本が戦争を出来る国にするためのPKO法案だと反対したため、国会運営が面倒になった。仕方なく当時の内閣が、戦闘が想定される場所にはPKO部隊を派遣しないなどと、非現実的な答弁をしてしまった。

おかげで困ってしまったのが、現地に派遣されたPKO部隊である。元々、地域の普通の住民でさえ小銃などを当たり前のように持っている南スーダンやイラクである。小さな喧嘩が銃撃戦に発展してしまうことが珍しくない。

だからこそ軍事力をもったPKO部隊が当地の治安回復、治安維持活動を担う。危険な任務だからこそ、国連加盟国の軍隊が派遣されるのだ。そして、自衛隊の派遣された地域でも、小規模な戦闘は何度か起きている。

現地PKO部隊としては、その事実を隠ぺいする訳にはいかず、正直に日報に書いている。その日報を受け取った防衛省は困ってしまった。その日報を公表しれば、せっかくの国際貢献であるPKO部隊派遣を中止しなければならない可能性があったはずだ。

以前は金は出しても人的な貢献が出来なかった日本が、ようやく人的な貢献ができるようになった訳で、防衛省としては是が非でも続けたかった。そこで止む無く日報紛失で、その場を乗り切ろうとしたのだろう。

ウソはいけない。だから防衛省の対応に瑕疵がないとは云わない。

しかし、この問題が起きた最大の原因は、危険な地域にPKO部隊は派遣しないように枷をかませた政府の誤魔化しの対応であり、それを求めた当時の野党議員の世間知らず、無知蒙昧さであろう。

日報を隠したのは確かに悪い。しかし、実情とかけ離れた認識で、PKO活動をやろうとした政府と、それを求めた国会議員こそが真の犯人だ。この問題で、文民統制が危ういなどと馬鹿をいう議員や識者がいるが、勘違いも甚だしい。

守れもしない制約を課した愚かさこそ、真に反省すべきことだと思います。

コメント
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