先週のことだが、漫画家の白土三平氏が亡くなった。
少年忍者サスケが子供たちに大人気であったが、私としては「カムイ伝」の作者としての印象が強い。あの時代の大きな潮流であった左派の学生運動にとって、「明日のジョー」と並ぶ若者のバイブルであった。
だが残酷なことにカムイ伝の主役の一人、正助が世の為人の為に起こした一揆が権力に押し潰されたのと同様に、学生運動も権力に潰され、切り裂かれ、尻つぼみの結果に終わってしまった。
当時、近所の安アパートに住んでいた民青の活動家のお兄さんが、「俺たちは明日のジョーではなく正助だったのか」と力なく呟いていた姿が痛々しかった。まだ十代前半であった私も、心の中に隙間風が吹き、左派学生運動が色あせていくことに虚脱感を感じていた。
意外なことに、あるいは当然かもしれないが「カムイ伝」の作者である白土氏も同じような喪失感をひどく感じていたらしい。そんな白土氏の新境地ともいえる作品が、表題の漫画であった。時期的には100万人が国会前に集結した60年の安保闘争の敗北後の作品です。
シートン動物記の漫画化は、幾人もの漫画家が手掛けているが、その中でも逸品なのが白土氏のものだと思う。ただ、私はこの作品を読んだことはあっても所有してはいないはず。
では、どこで読んだのかといえば、小学生の頃、三軒茶屋のすずらん通りに沿いにあった小さな貸し本屋さん。うろ覚えだが、2坪もないような小さなお店で、棚一杯に本が並んでいて、そのうち7割くらいが漫画であった。
私はこの貸し本屋さんで、手塚治虫全集を読み、石森章太郎の若い頃の作品を読み、白土三平の「カムイ伝」も読んだ。「シートン動物記」もその時に読んだものだと思う。
多分、忘れ去られた名作だと思うので、古本屋で買えばけっこうな値段がすると思う。でも待てよ・・・私の予想だけど、近いうちに白土三平全集が発刊されると思う。その中にきっと含まれているはずなので、その時に買えばいいかな。
でも、今読みたい気持ちも強い。古い漫画の揃えの良い漫画喫茶を週末当たってみようかなァ。コロナ禍もひと段落したようなので、探してみましょうかね。
白土三平さんの訃報はそれなりにショックでした。
「カムイ伝」は当時の図書館に入っている数少ないマンガだったので、必然的に読んでました。
大阪の小学生は「道徳」の授業で「」について教えられるので、ハードルが低かったと思います。
大学生になって地方ではそんな授業が無かったのは驚きでした。
私はこの漫画を読むまで「問題」は知りませんでした。結局学校では教わらず、新入社員の時の研修で教わった始末です。大分地域差があるようですね。
白土三平作品は、私はやっぱりテレビで見た「サスケ」が一番印象的かな。
さいとうたかおに続き、昭和の大物漫画家が物故してさびしいですね。
シートン動物記、ヌマンタさんは昔の小学館のをアップされてますが、今は山と渓谷社のヤマケイ文庫で出てますよ。
つい最近出版社から注文書が届いてました。(私のいるフロアはコミックもあるのです)