残念ながら、表題の作品は作者である吉川英治氏が逝去されたため、未完で終わってしまいました。無念です、残念でなりません。でも、私の脳裏には深く刻み込まれた佳作です。
吉川英治といえば、「宮本武蔵」や「平家物語」も著名ですが、やはり「三国志」が私は一番好きです。かくゆう私は、三国志フリークで20代までは、年に一度は三国志を読んでいました。多分、20回以上読み返しています。だからこそ、吉川氏の水滸伝は面白かった。水滸伝は他の小説家のものも読みましたが、吉川版には及ばないと思っています。
ところで、水滸伝を生み出した中国の歴史風土について考えると、想いは複雑です。蝗や渇水、日照り、流行病にもまして中国の民衆を痛めつけるのは、多くの場合政治権力者です。だからこそ役人の横暴に泣かされ、癒しどころのない苦しみ、悲しみのはけ口として、山賊や海賊、湖賊をヒーローと仕立てあげる。
本来、山賊なんてものは、犯罪者であり、逃亡者、流浪の民の集まりに過ぎないはず。その彼等アウトローの者たちの被害に遭うのは、多くの場合力なき民衆であるはず。にもかかわらず、その加害者をヒーローに祭り上げる。そのあたりに、中国の民衆がいかに政治権力者から苦しめられていたかが、嗅ぎ取れてしまうのです。
驚くべきことに、今でもこの事情は変わりないようです。中国に甘い事この上ない日本の新聞ですら、中国の官僚が大衆を絞り上げ、塗炭の苦しみのどん底へ突き落とす記事が出ることは珍しくありません。北京政府は、日本で中国の軍拡などが報道されると大騒ぎして抗議する癖に、中国政府役人の汚職や犯罪が報道されることには関心がないようです。当然のこととでも思っているのかな?
当面、共産中国政府の治世は、一部の期待とはうらはらに、安泰であろうと思います。しかし、その内側では水滸伝の山賊さながらに、中央政府にたて突く存在が各地に育っていくのではないかと、私は考えています。その存在の裏側には、ほぼ間違いなく地方政府が関わっている可能性は高いと考えます。
まあ、水滸伝の山賊(湖賊)はともかくも、既に中央政府の指示に面従腹背の地方政府は数多く存在します。中国に進出した外国企業は、すでにその混乱に巻き込まれているのが現状です。私は今後、中国から撤退もしくは事業縮小する外国企業が続出すると予測しています。北京オリンピックの前後がその分水嶺になるかもしれません。
吉川英治といえば、「宮本武蔵」や「平家物語」も著名ですが、やはり「三国志」が私は一番好きです。かくゆう私は、三国志フリークで20代までは、年に一度は三国志を読んでいました。多分、20回以上読み返しています。だからこそ、吉川氏の水滸伝は面白かった。水滸伝は他の小説家のものも読みましたが、吉川版には及ばないと思っています。
ところで、水滸伝を生み出した中国の歴史風土について考えると、想いは複雑です。蝗や渇水、日照り、流行病にもまして中国の民衆を痛めつけるのは、多くの場合政治権力者です。だからこそ役人の横暴に泣かされ、癒しどころのない苦しみ、悲しみのはけ口として、山賊や海賊、湖賊をヒーローと仕立てあげる。
本来、山賊なんてものは、犯罪者であり、逃亡者、流浪の民の集まりに過ぎないはず。その彼等アウトローの者たちの被害に遭うのは、多くの場合力なき民衆であるはず。にもかかわらず、その加害者をヒーローに祭り上げる。そのあたりに、中国の民衆がいかに政治権力者から苦しめられていたかが、嗅ぎ取れてしまうのです。
驚くべきことに、今でもこの事情は変わりないようです。中国に甘い事この上ない日本の新聞ですら、中国の官僚が大衆を絞り上げ、塗炭の苦しみのどん底へ突き落とす記事が出ることは珍しくありません。北京政府は、日本で中国の軍拡などが報道されると大騒ぎして抗議する癖に、中国政府役人の汚職や犯罪が報道されることには関心がないようです。当然のこととでも思っているのかな?
当面、共産中国政府の治世は、一部の期待とはうらはらに、安泰であろうと思います。しかし、その内側では水滸伝の山賊さながらに、中央政府にたて突く存在が各地に育っていくのではないかと、私は考えています。その存在の裏側には、ほぼ間違いなく地方政府が関わっている可能性は高いと考えます。
まあ、水滸伝の山賊(湖賊)はともかくも、既に中央政府の指示に面従腹背の地方政府は数多く存在します。中国に進出した外国企業は、すでにその混乱に巻き込まれているのが現状です。私は今後、中国から撤退もしくは事業縮小する外国企業が続出すると予測しています。北京オリンピックの前後がその分水嶺になるかもしれません。